"ただの送金係にされた母親" 第12話
【12】 LINEグループに届いた「、藤の苑に来てください」
夜の。
古い都営アパートの自に戻った私は、台所のさな換気扇ので、湯沸かしポットのい唸り声を聞いていた。
マグカップにインスタントの湯を注ぎ、両で包み込む。
指先はえ切っていた。
胸の奥が、千々に引き裂かれそうだった。
『本当にこれで良かったのか』
『あの子を追い詰めすぎて、取り返しのつかないことをしてしまうのではないか』
『私が百万を用てて、借だけでも清算してやるべきではないのか』
脳裏をよぎる甘い誘惑と罪悪の波を、私は歯をいしばって押し殺した。
あのまま救いを与えれば、翔太は「嘘をついての同を買う子供」のままきていくことになる。
親として最にできることは、おを差しすことではない。
自分が作りした沼のさを、自分ので測らせることなのだ。
ローテーブルのに置かれたスマートフォンが、にく振した。
画面をくと、LINEの通が表示されていた。
『翔太があなたをグループ「族の話しい」に追加しました』
参加者には、私と、彩さん、そして翔太のの名があった。
そして、数秒の静寂の、つのメッセージが画面に流れてきた。
『モビットの増額契約は、先ほど解約続きを完しました。
証のスクショを貼ります』
添付された画像には、確かに契約キャンセルと利用枠の破棄を示す画面が写っていた。
続いて、翔太からの文章が届いた。
『、に藤の苑の族相談を押さえました。ケアマネジャーにも同席を頼みました。
親父にも、で話にくと伝えました。
俺の通帳、与細、借の督促状、全部持ってきます。
、藤の苑に来てください』
く、切の言い訳のない文章だった。
それは、母親と父親と妻ので、それぞれの顔を伺いながら虚飾の言葉を紡ぎ続けてきた息子が、初めて吐きした「の現実」だった。
彩さんからの返信は、ほんの言だけだった。
『解しました。に現集で』
私は震える親指で、画面をタップした。
『分かりました』
画面を閉じると、部のに再び静寂が戻ってきた。
、ぶりに、あの忌まわしい過の残骸と正面から向きうことになる。
そこにはな解も、奇跡のような救済もしないだろう。
あるのはただ、々しいと介護と、破綻しかけた信頼という名の現実だけだ。
だが、逃げのないそのテーブルこそが、私たち全員がにむために、どうしても通過しなければならない所だった。
私はめた湯をみ干し、の戦いに備えて気を消した。