"正月の食事会で義母に印鑑を求められ、仲居から「逃げて」のメモ" 第21話
調委員の呼びしを受け、私は先と緒に指定されたさな部へ入った。向かい側には2の調委員が座り、私たちが提した資料に目を通している。
俊とは別の待にいるため、彼が今どんな顔をしているのかは分からなかった。配の男性委員が穏やかな声で確認した。
「申の森田叶恵さんですね」
男性委員は調の簡単な流れを説してくれた。
「本はご主の俊さんも別の部でお待ちです」
私たちは交互にこの部へ入り、それぞれの主張と希望を調委員へ伝えていくことになる。私は先と事に打ちわせた通り、7の結婚活の破綻の原因を客観な事実だけで説した。
正の料亭で私が全くらない密へ連れ込まれそうになった恐怖。そこで用されていた、私に7500万円の保証を負わせるという理尽な類の。
そして何より、夫がその計画の部をりながら、妻である私を売るように沈黙していたという事実。さらに先が、さんの調査でらかになった義母の巨額流用の事実を補してくれた。
調委員たちは、義母のあまりにも勝で酷な計画にしだけ眉をひそめて驚きの表を見せた。女性の調委員からの質問があった。
「ご主は、お義母様のその正な資流について事にっていたのでしょうか?」
私は静かに首を横に振った。
「いいえ」
私は俊の状況を説した。
「夫は会社の財務の真実を何もらず、ただ母親の言葉を信じ込んでいました」
私は自分の気持ちを伝えた。
「ですが、彼は自分で事実を確認しようともせず、母親の圧力を恐れて私を贄にしたのです」
私ははっきりと言った。
「私にとって決定な裏切りは、彼が会社の真実をらなかったことではありません」
私は調委員の目を見た。
「妻である私だけが目をらない部へ入ることをっていて、最まで黙っていたことです」
私の言葉を聞いて、委員の2はく静かに頷いてくれた。私の主張は貫しており、提した証拠も確であるため、最初の聴取はスムーズに終わった。
私たちが待へ戻った、今度は俊が調委員の部へと呼びされていった。俊の聴取はいのほかく、30分以が経過しても彼は戻ってこなかった。
私は持参した本をいていたが、文字は全くに入ってこない。彼が調委員に対してどんな言い訳をしているのか、それともまだ復縁を求めて泣きついているのか。やがて扉がき、再び私たちが部へ呼ばれた。
調委員の顔には、し困惑したような疲労のが浮かんでいた。男性委員が類を揃えながら慎に言葉を選んで話し始めた。
「ご主のご向を確認いたしました」
男性委員は俊の言葉を伝えた。
「ご主はあのの来事についてく反省されており、ご自の非を全面に認めておられます」
男性委員は言葉を続けた。
「お義母様の正がらかになったことで、自分がどれほど愚かだったかを痛しているとおっしゃっていました」
男性委員は俊の希望をにした。
「そので、婚はどうしても避けたい。もう1度だけやり直すチャンスが欲しいとく希望されています」
その報告を聞いて、私はの奥底がたく凍りつくのをじた。彼はまだ、自分が謝罪し、を入れ替えれば以と同じ関係に戻れると信じているのだ。
義母の会社が崩壊し、彼の拠り所であった「族だから」という魔法も消えった。だからこそ、彼は失いたくない最の砦である私に縋りつこうとしているだけなのだ。
そこには私の尊厳や受けた傷に対する、本当の理解はなかった。私は背筋を伸ばし、調委員を真っすぐに見つめ返した。私ははっきりと言った。
「私は彼とやり直すつもりは切ありません」
私は自分のを固く示した。
「婚のは変わりません」
私の断固とした返答に、委員は困ったようにしだけ線を交わした。男性委員が再びをいた。
「ご主は、お義母様とは縁を切ってもいい。
これからは叶恵さんだけを全力で守るともおっしゃっています」