"夫の隠し子を知った私に、息子が離婚を3日待てと言った" 第23話
警察署までご同願います」
その言葉が終わるか終わらないかのうちに、別の警官がさやかのへと歩み寄った。さやかは完全に錯乱し、バッグをく握りしめてちがりずさりした。その声は震え、まともな発音になっていない。何をなさるんですか、私には関係ありません。
「佐藤さやかさん。あなたは違法な資産隠匿への協力、及び偽造類を用いた企業からの報酬の疑いがあります。緒に署までご同ください」
その瞬の私の気持ちは言葉では言い表せないものだった。、のに積みなっていたいがつつ取り除かれていくような覚。そのは全て健が自ら積みげた嘘、裏切り、利用、そして軽蔑の結晶だった。今そのは全て確な記録や映像、そして黒はっきりした調査報告に変わり、彼自にり注いでいるのだ。
井からまで、宴会は々のざわめきとカメラのシャッター音で埋め尽くされていた。私はその混みのでしばらく静かにち尽くしていた。誰も私を止めようとしないし、誰も私にぶつかってこない。
折目を逸らす数のがいた。おそらく健側ので、私と目をわせるのが怖いのだろう。しかし記者たちはすでに私を何にも取り囲んでいた。
「美桜夫、この証拠は全てあなたが事に集めていたものですか?」
「これは婚に向けた準備ということでしょうか?」 「美桜様、社が映像のであなたのことを飾り物と呼んでいましたが、それについて反論はありますか?」
の女性記者がマイクを私の元に突きつけた。私はし顔を傾けた。ブローチのカメラがちょうど彼女の顔を捉える角度だ。私はくの質問には答えず、ただ静かに微笑んだ。
「、私の個の報発信ので正式な声をします。今言えることはただつ。彼は私に対して説の義務がある。そして、ここにいる全ての皆様に対してもです」
警官が秩序を取り戻し始め、全員にをけるよう指示した。健は錠をかけられ、へと連されていく。彼は魂が抜けたようにうつろな目で、さやかのを通り過ぎるも彼女を瞥すら見なかった。
さやかはそこで彼を追いかけ、健さんと叫んだが警官に阻まれた。彼女はそのまま別のへと連されていく。慌てた拍子にいヒールの靴がよろけ転びそうになったが、誰もを貸そうとはしない。全員が彼女を避けていた。
くから彼女の泣き叫ぶ声が聞こえた。違ってます、私は何もらない、私には関係ないのに。誰もその声に答える者はいなかった。
私はそのにち尽くし、彼らの背が宴会のドアの向こうに消えていくのを見送った。
いつのにかゆりが私のそばに押し入り、私のをく握りしめていた。
彼女ののひらは汗でびっしょりと濡れ、氷のようにたかったが、その声には抑えきれない興奮が溢れていた。美桜、やったわ。あなた本当にやり遂げたのね。
私は何も言わなかった。胸の奥から込みげてくるものは、言葉にして消化できるような浅いではなかった。私は勢の線のでゆっくりと顎をげ、振り返ってへと歩きした。並みに囲まれながらも、ゆりが体を張って私のためのを作ってくれた。
の声が元で最に度だけ響いた。母さん、喫茶の方は片付けたよ。で待ってる。私は微かに頷いた。胸の青い宝が照を反射し、まるで夜空で最もたいのように鋭いを放った。
宴会の扉を抜けた瞬、私は自分のが刻みに震えていることに気がついた。恐怖からではない。張り詰めていた神経が突然解放され、い甲冑を脱ぎ捨てたような覚だったのだ。
級ホテルの廊には分い絨毯が敷かれていた。私はそのを歩歩しっかりと踏みしめながら歩いた。い廊の突き当たりで、エレベーターの扉がチンという音と共にいた。
にいた数の宿泊客が、の騒ぎを見に来ようとしていたのか、私を見て瞬驚き無識にをけた。
彼らは私が誰なのからない。