みかん小説
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"義母を沈めた十六時四十四分" 第3話

「黒柱?」

私はわず乾いた笑いを漏らした。

「あなたのその稼ぎだけで、このが回っていると本気でっているの? 私のパート代がなかったら、毎の赤字をどうやって補填するつもり?

それに、あなたはこので、陽翔のお呂を回でもで入れたことがある? ゴミしのつでも自分からやったことがある?」亮太の顔が、りと図を突かれた屈辱で青黒く変した。

「お、お……答えするなよ。誰のおかげでこのにめてるとってんだ。俺の稼ぎを見す気か!」

「見してなんかない。対等でいたいと言っているの。

それなのに、何か都が悪くなるとすぐお義母さんを引っ張りして、から私を叩きのめそうとする。

そんな卑怯な態度を、私はもう許さないって言っているのよ」「黙れ! 今すぐ母さんに話して謝れ!

『取り乱して失礼なことを言いました』って座して謝れ! そうじゃなきゃ、俺はおを絶対に許さないからな!」亮太は唾をばしながら喚き散らし、リビングの壁をドンと拳で殴りつけた。

その鈍い音に耐えかねたのか、陽翔が「うわあああん」と声で泣きした。

私はすかさず駆け寄り、震える陽翔を抱きしめた。

「丈夫よ、陽翔。丈夫、ママがいるからね」

腕のでさな体を抱きしめながら、私は亮太を徹な線で見据えた。

「謝らないわ。言も、絶対に謝らない」「……等だ」

亮太は荒々しく息を吐きながら、寝へと向かった。

「おみたいな血な女、こっちから願いげだ。母さんのところへってくる。おがをげるまで、度と帰ってこないからな!」バタン、と玄関のドアが再び激しく閉まり、部には陽翔の泣き声と、煮込み料理のグツグツという微かな音だけが残された。

私は陽翔の背を優しくさすりながら、静まり返ったリビングを見渡した。

亮太のいない部は、議なほど空気が澄んでじられた。張り詰めていた緊張の糸が解け、にぽたりと自分の涙が落ちるのを見て、初めて自分が極限まで追い詰められていたことに気づいた。

だが、泣いている暇などなかった。

あの文のLINEを送った瞬から、私たちの夫婦関係は完全にたな局面――あるいは破滅へのカウントダウンへと突入したのだ。   翌、私はパート先で、いつも通りに品しの作業をこなしていた。

しかし、昨夜の衝突の余波はく体にのしかかり、コンテナを持ちげる腕に力が入らない。

休憩で、めた麦茶をんでいると、澄さんが私の向かいに座った。

澄さんは代半ばのベテランパートで、かつて都内の企業で経理事務をく務めていた経験があり、物事の裏表を静に見抜く鋭い観察を持っているだった。

「紗智ちゃん、やっぱり何かあったでしょう。目のに隈ができてる」

私は躊躇したが、誰にも言えない苦しさに押し潰されそうになり、昨夜の来事をぽつりぽつりと打ちけた。義母からの理尽なLINE、私が送り返した文の反論、そして逆して実へ逃げ帰った亮太のこと。

  澄さんは黙って私の話にを傾けていたが、すべてを聞き終えると、い溜息をついた。

「よく言ったわよ、紗智ちゃん。過ぎて母親に妻の悪をチクるような男、度ガツンと言ってやらなきゃ治らないわ。でもね……」

澄さんは鏡の奥の目を細め、声をくした。

「ちょっと気になることがあるの」

「気になること、ですか?」

「ご主のことよ。普段からそんなに頻繁に体調を崩すの?」私はし記憶を辿った。

「そういえば……ここ半くらい、やたらと胃が痛いとか、微があるとか言って、休の夜や週末に倒れ込むことがいんです。でも、病院にこうとは絶対にしないんです。『寝てれば治る』って言って、私が消化のいいものを作っても文句ばかりで」「休の夜……ねえ」

澄さんは腕を組み、顎にを当てた。

「その体調良の、ご主の様子でに変わったことはない? 例えば、スマホの扱いとか、おの減り方とか」その言葉に、私の胸のでさな警鐘が鳴った。

「スマホは……そういえば、以はロックもかけていなかったのに、数ヶから指紋認証とパスコードの両方を設定するようになりました。

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