"義母を沈めた十六時四十四分" 第4話
それに、お呂にまでジップロックに入れて持ち込むようになって……」
「典型な兆候ね」
澄さんは苦笑混じりに言った。
「男が急にスマホを肌さず持ち歩くようになり、決まった曜に体調良を訴えて妻のを制限したり、逆にを空けたりする。紗智ちゃん、ご主の与細や通帳のき、ちゃんと把握してる?」臓がたく収縮した。
「与細は……夫の会社がウェブ細に切り替わってから、夫が印刷して持ってくるの控えしか見ていません。取りで万で、そこから夫の遣い万円を引いた残りを活費の座に入れてもらっています」
「その控え、本当に原本のプリントアウトかしらね」
澄さんの言葉は、あまりにも現実で、だからこそ私の背筋を凍らせるのに分だった。「紗智ちゃん、にりをぶつけるのは昨で終わり。これからはね、徹底に『現実』を見なきゃ駄目よ。
もし婚することになったとしても、あるいはやり直すことになったとしても、事実をらない側が絶対に負けるんだから。
まずはのの類を洗いざらい調べなさい」澄さんのアドバイスは、のにいた私の界を無理やりこじけるような衝撃だった。
そのの夕方、亮太のいない静まり返ったアパートに戻った私は、陽翔を寝かしつけた、寝のクローゼットへと向かった。
亮太は実に泊まり込んでいるため、今夜は帰ってこない。彼が残していった類棚の奥、古い靴箱のに隠すようにしまわれていたファイルを取りした。そこにあったのは、過数分の計関係の類だった。
私はまず、亮太が毎渡してきていた「与細のプリントアウト」と、の通帳の履歴を突きわせた。
自然な点など、探すまでもなくすぐにわになった。亮太が印刷してきた細の基本や残業代のフォントが、ごとに微妙に歪んでいる。よく見ると、数字の部分だけが切り貼りされてコピーされたような、稚拙な細の跡があった。
さらに、ベッドのの装ケースの奥から、亮太の私用のサブバンクの通帳が見つかった。震えるでページをめくる。
そこには、毎会社の与振込座から、活費用の座とは別に、万円のが定期に引きされ、別の個名義の座へ振り込まれている記録が残されていた。
振込先の名義は「サクマ マユミ」。
見覚えのない女性の名だった。それだけではなかった。
さらに通帳の履歴を遡ると、今度は「ミワ タカエ」――義母の名義への定期な振り込みもしていた。額は毎万円。ボーナスには万円。のが真っになった。
亮太の取りは万円などではなかった。
実際には残業代も含めて万から万円く稼いでいたのだ。そのから万円以を毎ピンハネし、見らぬ女と、自分の母親へ横流ししていた。
その方で、私には「況で残業代がない」「おのパート代をもっと増やせないのか」と詰め寄り、費の数千円の端数にまで言を言い、果ては「栄養のない抜き飯」と罵倒していたのだ。
りを通り越して、全の血液が急速に却されていくような覚だった。
私はスマートフォンをに取り、澄さんから教わっていた興信所の連絡先を見つめた。だが、まだそれだけではりない。
なぜ、義母へ毎万円ものを送する必があるのか。
義母は常々、「うちの主は派な退職と遺産を遺してくれたから、老の配なんて微もない」と自していたはずだった。翌朝、私が勤の準備をしていると、玄関のチャイムが激しく連打された。
インターホンのモニターを覗くと、そこには鬼のような形相の義母・貴恵がっていた。
息をえ、チェーンをかけたままドアをしだけける。「何の用ですか、お義母さん」
隙から覗く貴恵の顔は、昨夜のLINEの文面そのままに憤で引きつっていた。首元には粒の真珠のネックレスを巻き、派なスカーフを翻している。
「何の用ですって!? よくそんなが利けたものね!
亮太から全部聞いたわよ! あの子、昨夜泣きながら実に来たのよ。