"家族はすき焼き、義姉だけが台所で水かけご飯を食べていた" 第6話
籍を入れたばかりなのに、昔のことでギャーギャー騒ぎてて……そんな狭いじゃ、この先やっていけないわよ」
あまりの言いに、目のが真っ暗になりそうだった。
すべてをっていて、息子の嘘を押しし、私の選択肢を奪っておきながら。
いざ暴かれたら、今度は私の「器のささ」のせいにする。
「お義母さん」
私は座卓に両をつき、義母の顔を真っ直ぐに見据えた。
「私は、直に過があること自体を責めているんじゃありません」
居が静まり返る。
奥で座っていた義兄の太さんが、気まずそうにビールグラスを置く音が響いた。
「過に子どもがいたとしても、それを最初から正直に話してくれていれば、私は自分で考えることができました。その事実を受け入れて結婚するのか、それともお別れするのかを、私自が決めることができたんです」
息を吸い込み、直に向き直る。
「直。結婚する、私に何て言った?」
直は息を呑み、線をに落とした。
「『結婚歴もないし、子どももいない』って、はっきり答えたよね。あれは何だったの?」
「それは……」
「どうして嘘をついたの?」
「……言ったら」
直の目から、ポロポロと涙が零れ落ちた。
の男が、自分の保のために泣いている。
その姿が、ひどく醜悪に見えた。
「言ったら、遥は絶対に俺と結婚してくれないとったから……! 遥を失いたくなかったんだよ!」
「だから、私に選ばせなかったの?」
私の言葉に、直は息を詰まらせた。
「あなたが私を失いたくないという勝な都のために、私からを選ぶ権利を奪ったのね」
「違う、そんなつもりじゃ……」
「同じことよ。あなたは私をしていたんじゃない。自分の都のいいように私を騙して、逃げをなくしてから事実を押し付けようとしただけ」
「言い方がひどいわよ、遥さん!」
義母がヒステリックに声を張りげる。
息子の涙を見て、母親としての庇護欲にがついたようだった。
「直だって悪気があったわけじゃないじゃない! あなたのことが好きだから言えなかったって言ってるでしょう! それをそんな、犯罪者みたいに責めてて……! 体ね、子どもを引き取るわけじゃないのよ? 養育費だって、々し払えば済む話じゃないの!」
「母さん、やめてくれ!」
直が慌てて叫んだ。
その声の裏にある異様な焦燥に、私の勘が警鐘を鳴らした。
……養育費?
々、し払えば済む?
「待って」
私は直の顔を凝した。
「養育費、ちゃんと払ってたの?」
直はを噤み、顔を真っ青にして俯いた。
その沈黙が、すべてを物語っていた。
「由さん、言ってたわよ。ここ数ヶ、振り込みが完全に止まってるって」
「それは……結婚の準備で、敷とか具のとか、いろいろ費がなって……」
「私との婚活のために、自分の子どもの養育費を止めていたの?」
背筋が、芯から凍りついていくようだった。
誠実で、優しくて、真面目だとっていた男。
その実態は、自分の子どもの活費すら滞納し、しい女と見栄を張るために責任を放りすようなだった。
「そんなに子どものことを気にするならね!」
義母がき直ったように、吐き捨てるように言った。
「これからのおの話も、全部してあげるわよ! 直を責めるに、妻としてどうやって計を支えるか考えなさい!」
「母さん、本当にやめてくれ!!」
直が鳴のような声をげた。
けれど、もう止まらなかった。
義母のから次々とびす言葉が、この族が私に対して仕掛けていた「本当の罠」をのに晒していく。
「直にはね、のことでし理しなきゃいけないおがあるのよ! 滞納分だって、まとまった額を払わなきゃいけないし、あの子の会社の取りじゃ追いつかないの! だから、遥さんが活費をめにしてくれるって聞いて、私たちはしたんじゃないの!」
……は?
ので、何かが音をてて繋がっていく。
結婚、居の計について直と話しったのこと。
あの、直はひどく申し訳なさそうな顔をして、こう言っていた。
『遥の方が病院勤務で基本もしっかりしてるし、ボーナスも定してるだろ? 最初の数は、賃と費は遥の座からして、俺の料はの将来のための貯に回すって形にしないか? その方が効率よく貯まるでしょ』