"「月5万払うから」離婚した私に介護を頼む元夫" 第16話
母さんは支援1の認定がおりて、週に回、デイサービスに通うようになった。掃除や買い物は、俺と智子姉さんで当番を決めて、なんとか回している。母さんは文句ばかり言っているが、もう昔のように俺たちの言いなりにはならないし、俺たちも甘やかすのをやめた。今になって、おが、どれだけのものをで背負ってくれていたのかを痛している。何つ当たりじゃなかった。俺たちは、おの優しさとに寄していただけだった。玲奈とのことも、母さんのことも、すべて俺の勝さが招いた結果だ。おのを奪ってしまって、本当にすまなかった。返信はいらない。ただ、謝りたかった』
画面を見つめたまま、私はゆっくりと息を吸い込んだ。
かつての私なら、この謝罪の言葉を読んで涙を流したかもしれない。自分の苦しみがようやく理解されたと、胸を撫でろしたかもしれない。
でも、今の私のは、驚くほど凪いでいた。
悔しても、失われたは戻らない。彼らが支払っている代償は、彼らが自分で撒いた種を刈り取っているだけの、あまりにも当然の結末だ。
許す気もなければ、復讐のに浸る気もない。ただ、「終わったのだ」という事実だけが、静かに胸に落ちてきた。
私は返信ボタンを押すことなく、メッセージのやり取り画面を閉じた。
そして、健の連絡先を削除し、完全にブロックした。
画面が暗転し、澄んだ黒いガラスに、私の穏やかな顔が映る。
ちがり、物のトレンチコートを羽織った。お気に入りの革のバッグに、陶芸教の会員証と、読みかけの文庫本を入れる。
玄関の鍵を閉め、属の澄んだ音を聞く。にると、抜けるような青空から、眩しいほどのの陽射しがり注いでいた。
、誰かの予定にわせてきてきた。これからは、私の予定を番切にしようとう。