"「娘に頼まれたから」深夜に30個の弁当を作る母、私は何も知らなかった" 第7話
この半、母がどれだけのいで、どれほどの痛みに耐えて作っていたか、考えたこともないでしょう」
「な、何よその言いは! 私はちゃんと謝して……」
「謝? 材費の万円をて替えさせ、輔とで抜きして温泉旅のしにすることが、あなたの言う謝なんですか?」
義母の顔から、気に血の気が引いた。
「な、なんのこと……輔が、何を……」
「全部ってますよ。LINEの履歴も、座の取り分も、全部見ました」
義母は激しく揺し、持っていたクリップボードを抱え込むようにして胸元に引き寄せた。
「だ、だから何よ! 私はあの子の母親よ! 息子が母親に遣いを渡すのは当然でしょう!? それに、幸子さんだって私の顔をててくれてたじゃない! 域の役にって、謝されて、きがいをもらってたのは幸子さんの方よ!」
どこまでも歪んだ自己正当化。の犠牲のに成りつ名声を、あたかも自分が恵んでやった施しのように語るその醜悪さに、私の奥歯がギリリと音をてた。
その、私のろから、静かな音がづいてきた。
エプロンをし、普段着に着替えた母が、玄関のたたきにった。その首には、真っな湿布が痛々しく巻かれている。
「幸子さん……」
義母がすがるように母を見た。いつものように、温で控えめな母が「まあまあ、恵子さん」
とを収めてくれるのを期待したのだろう。
だが、母は義母の目を静かに、まっすぐに見つめ返した。
「恵子さん」
母の声は、震えていなかった。
「私は、歩美のために作っていました。娘がしい仕事を始めるなら、しでも助けになりたい、それだけのでした。あなたにきがいを恵んでもらう筋いなど、どこにもありません」
「な……っ!」
「私、もう作りません。円も、粒も、あなたのために差しすものはありません」
はっきりと、拒絶の言葉を突きつけた。、に波をてず、常に慮してさくなってきてきた母が、で初めてにした、確な絶縁状だった。
義母の顔が、りと屈辱で気から赤黒く染まっていく。
「……いい気にならないでよ!」
義母はキーッと切り声をげた。
「たかが定がりのくせに! あんたが突然投げしたせいで交流会に穴が空いたら、町内会の笑い者よ! 私が恥をかいたら、輔だって歩美さんだって、この域できていけなくなるのよ!? 損害賠償請求してやるわ! 契約履で訴えてやる!」
見苦しい脅迫の言葉を撒き散らす義母。私はため息をつきながら、自分のスマホの画面を義母の目のに突きつけた。
ディスプレイには、あらかじめ検索して表示させておいた、連絡先が表示されている。
『あけぼの区民交流会 実委員 野田美代 様』
義母の目が、恐怖で見かれた。
「……な、何よそれ」
「野田さん、確か婦会の会で、今回の交流会の最責任者ですよね」
私はたい笑みを浮かべ、発信ボタンのに親指を置いた。
「いいですよ、訴えるならどうぞ。そのに、私から野田さんに直接話をかけますから。『藤本恵子さんの作り弁当』が、実際は無許の般民で調理されていたこと、管理も営業許もしないこと、そして今、母が腱鞘炎でドクターストップがかかり、調理能になったことを、全て正直にお話しします」
「や、やめ……っ!」
義母が青ざめてを伸ばしてきた。私はそれをたく払いのけ、親指を発信ボタンへと押し込んだ。
コール音が回鳴り、スピーカーから落ち着いた女性の声が響いた。
「はい、野田です」
義母の顔から、完全に血の気が引いた。喉の奥をヒュッと鳴らし、すがるように両を伸ばしてくる。
私はそのをたく払い、受話器に向かって迷いなく名乗った。
「突然のお話、変失礼いたします。藤本輔の妻の、歩美と申します。今、あけぼの区民交流会の件でお話いたしました」
「あら……輔さんの奥様? どうされたの、朝くから」
「週末の交流会で予定されている、『藤本恵子の作り弁当百』の件です。
……今すぐ、野田会に直接お見せしなければならないな類と、お伝えすべき事実がございます。今から分、公民館でおをいただけないでしょうか」