"サンダル履きの妻を、夫が売る日" 第11話
『お母さんのの苦労が報われましたね』
『真紀さんもしは役にったのかしら』
画面を見つめる私のから、たい笑いが漏れた。
内定?
本契約どころか、資材調達基準の次審査すら通過していない。
私が承認印を押していない以、この案件は何つ法に確定していないのだ。
それなのに、このたちはすでに祝杯を挙げる準備をしている。
自分たちの犯罪なスキームが、絶対に暴かれないと信じ切っているのだ。
「どうぞ、盛にお祝いなさるといいわ」
私はスマートフォンを伏せ、パソコンの画面へと向き直った。
相は、理のマネジメント枠採用がストップしたことで、焦っているはずだ。
このままでは、ギフト案件のにも遅れがる。
必ず、別の角度から無理を通そうとしてくる。
私は社内イントラネットの調達管理規定を呼びし、枚の式をダウンロードした。
『規取引先選定における利益相反自己申告、ならびに産能力証確認』
これを、正式な審査基準として全部署へ周させる。
逃げは、完全に塞ぐ。
曜の午。
事態は、私の予測通りにきした。
理が再び会社に現れたのだ。
だが、今度はマネジメント枠としての横柄な態度ではない。
仕ての良いスーツにを包み、岸本部に付き添われながら、「部アライアンスの企画提案者」
という肩を掲げていた。
「藤原主任」
岸本部が、わざとらしくるい声を張りげて私のデスクへやってきた。
「例のプレミアムギフト案件だがね。さんが部コーディネーターとして、素らしい調達スキームを提案してくれたんだ。フジワラフーズという元企業を核に据えることで、社には真似できない柔なアソートが能になる」
理が、私のに枚の企画を差しした。
唇の端には、隠しきれない嘲笑が浮かんでいる。
「藤原さん、昨は厳しいご指導ありがとうございました。でもね、ビジネスはリスクを恐れていたらにまないの。私はこのスキームで、初度売目標の〇%達成をコミットします。フジワラフーズさん側も、全社を挙げてロットの定供を保証してくださっているわ」
企画をく。
そこには、美辞麗句と非現実な数字が踊っていた。
供予定数:万セット。
製造能力:万千セット保証。
調達原価:従来比マイナス%。
私は元の資料から顔をげ、理の目をまっすぐに見つめた。
「万セットですか。フジワラフーズさんの現の従業員数は、パートを含めて名と伺っていますが」
理の眉が、わずかにピクリといた。
だが、すぐにを鳴らして胸を張る。
「請けのネットワークがあるのよ! 元のさなを何軒も束ねて、専用のラインを構築する筈になっているわ。脈と調力があれば、自社の規模なんて関係ないの。あなたみたいなのいには像もつかないでしょうけれど」
「なるほど。部委託による製造ラインの確保ですね」
私は切反論せず、く頷いてみせた。
「素らしいご提案だといます」
理と岸本が、顔を見わせて堵の笑みを漏らした。
『やはり、この女は数字を並べてれば引きがる』と確信したのだろう。
「分かってくれたかね、藤原くん! さすがはが部のベテランだ」
岸本が満そうに腹を揺らした。
「ええ。ただし」
私は引きしから、先ほど用した類を取りし、のに置いた。
「が社の品質保証規定、ならびにJAS法および品表示基準の遵守規定に基づき、規参入サプライヤーには以の類の事提が義務付けられています」
テーブルのに並べられたのは、枚の厳格なチェックシートだった。
「第に、委託先の『製造設備仕様』および『管理基準適証』。
第に、万千セットの供を裏付ける『原料調達契約の予約確認』。
そして第に、全社コンプライアンス規程に基づく『役員および取引仲介者における利益相反申告』です」
理の笑顔が、ピキリと凍りついた。
「……な、何よこれ。そんな細かい類、今まで必なかったじゃない!」