"サンダル履きの妻を、夫が売る日" 第14話
パチパチと、岸本だけが乾いた拍を打つ。
役員たちの表はい。
理が艶然とした笑みを浮かべ、プロジェクターのにみた。
元のレーザーポインターを軽に操り、スライドを次々と切り替えていく。
「皆様、こんにちは。理です。私がこれまで培ってきた広域流通の見と、フジワラフーズ様の固な産ネットワークを融させた、画期なスキームをご説いたします」
スクリーンには、威勢のいい数字が並んだ。
『目標供量:万セット』
『最製造キャパシティ:万千セット』
『初度見込み利益率:%』
どれも、方の零細企業がせる数字ではない。
絵に描いた餅どころか、ただの空の産物だった。
そして、理は自信たっぷりに胸を張り、最の枚のスライドを映しした。
『統括責任者・理が過に主導した主プロジェクト実績』
そこには、太字でこう記されていた。
【・豪災害における、信濃ラインの緊急幹線迂回スキームおよびスーパー社への無欠品納品完遂】
理は誇らしげに顎をげた。
「このように、私は過にも未曾の危において、独自の物流ネットワークを駆使してサプライチェーンを守り抜いてまいりました。このマネジメント力があれば、フジワラフーズ様の供体制も盤でございます」
審査員席の役員たちが、したように元の資料に目を落とす。
岸本が満そうに頷き、義母は々に背筋を伸ばした。
夫は会議の壁際で、すでに勝利を確信したように笑いを浮かべている。
静寂の、私はゆっくりとを挙げた。
「発言の許をいただけますでしょうか」
会議の線が、斉に私へ集まった。
岸本が骨に顔を歪め、遮るように声を荒らげる。
「藤原くん! 今はプレゼンテーションの最だ。現の細かい質問はにして――」
「いえ、今確認しなければ、審査そのものが成いたしません」
私の声は、く、たく、内の壁に反響した。
川が静かにを挙げ、岸本を制する。
「業務調責任者からの確認事項です。聞きなさい」
理は眉をひそめ、苛ちを隠そうともせずに私を睨みつけた。
「……何かしら、藤原さん。私の実績に、何かごな点でも?」
「ええ、いに」
私は元の端末を操作し、メインスクリーンへ社内基幹システムのログ画面を割り込み表示させた。
青いのに、膨なデータが投される。
「さん。あなたが今『自らが主導した』と主張された、の豪害における物流再編プロジェクト。プロジェクト番号【PJ―2021―W】」
理の瞳が、わずかに揺れた。
「このプロジェクトの起票者、運指示の最終承認印、および現のトラック協会との折衝ログ。
すべて画面に表示してあります」
私は画面の最部、赤枠で囲まれた部分を指し示した。
「起票:の、午分。
起票端末ID:本社業務部・藤原真紀。
現対策本部承認者:藤原真紀」
会議内が、を打ったように静まり返った。
「さん。当の事記録によれば、あなたはその期、京都内の商社にて般事務の契約社員として勤務されていましたね。品川のオフィスにいたあなたが、どうやって夜に野の凍結へ代台を配し、スーパーのバイヤーと膝を詰めて納品枠を維持されたのですか?」
理の顔から、さっと血の気が引いた。
「な……っ! そ、それは……チームとしての……私は京側で、方支援を――」
「方支援のログもしません」
私は容赦なく言葉をねた。
「このプロジェクトは、が社の物流チームが晩眠休で完遂した社秘の業務記録です。あなたが提した実績シートの文章は、私が社内イントラネットに保していた『危管理業務完報告』の記述と、句読点に至るまで言句完全に致しています」
「ひっ……!」
理の喉から、さな鳴が漏れた。
役員たちの目が、疑惑からなりへと変わっていく。
岸本が子から半を乗りし、滝のような脂汗を流しながら叫んだ。
「ふ、藤原くん! 資料の文面が似通うことなど、業界内ではよくあることだ! そんな枝葉のことで候補者の資質を全否定するな!」