"花嫁が逃げた祝言で、毒を盛られた若旦那が選んだ女中" 第13話
宇兵はこれこそが好であると確信し、居まいを正して、これまで胸に秘めてきた真実の全てを打ちけた。
「若旦様、実は叔父の庄兵様は当主の座とこの莫な産をが物にするため、よからぬ野を抱いておられます。蔵の財宝を夜な夜なへ運びしていただけでなく、若旦様の薬のに恐ろしい毒を混ぜ、誰にも気づかれぬよう殺そうとしていたのです」
「毒だと……それが誠か」
源は衝撃に言葉を失い、りとしみで全を震わせた。
「違いございません。そして、その卑劣な毒のから若旦様のお命を救い、ここまでお体を戻されたお方こそが、あののきけぬはずのお染にございます。お染は毎夜配られた毒入りの薬を密かに別の器に捨て、自ら煎じた本物の薬を代わりにませていたのです」
源は目をくし、その夜、枕元にお染を呼んで2きりで向かいった。源はお染のさく荒れたを両で包み込み、くをげた。
「お染、宇兵から全てを聞いた。命を賭してこの私を守り抜いてくれたのだな。この恩を体どのように報いればよいか、言葉も見つからぬ」
源が全ての真相をったことを悟ったお染は、もはや隠す必はないと腹を括り、ののに淀みない跡でき記した。
『若旦様をお守りすることは、妻として、またとしての私の当然の務めにございます。
どうかこれ以おを痛めず、お体を切になさってください』
源はその気品漂う美しい文字を見た瞬、お染がい事を抱えた貴な女性であることを完全に確信した。しかし、あえてその素性をく詮索しようとはせず、お染の澄んだ瞳を真っ直ぐに見つめた。
「おがどこの誰であろうと、私にはいささかも関係のないことだ。おにどのようない過があろうとも、私は命に代えてもおを守り抜く。これからは2で力をわせ、この恐ろしい謀にち向かおう」
源、お染、宇兵の3は固い絆で結ばれ、部の灯を消して綿密な計画を練った。
「若旦様のお体がここまで回復されたことは、当面の、庄兵様には徹底して隠し通すのが策かとじます。相を油断させ、次の凶に及んだ瞬に決定な証拠を押さえて、網打尽にお代官様のお裁きにかけるのです」
源は力く頷き、も相変わらず激しく咳き込んで起きがれぬ病のふりを続け、庄兵の目を欺いた。
ところが、3が代官所へ訴える取りを決める寸、これ以源をかしておいてはがつくと判断した庄兵が、歩く最の凶に及んだ。
あるのい夜、権蔵がいつもとはらかに異なる、どす黒いとろみを帯びた薬椀を捧げ持って奥のへと入ってきた。
啜っただけで臓腑を溶かし尽くして即させる、量の砒素が仕込まれたの毒薬だった。
お染は権蔵が部をた直、すぐさまその猛毒の薬を隠し器のへと移し替え、代わりに清らかな煎じ薬を源にませた。
しかし翌朝、源が息を引き取る気配が向にないのを見ると、庄兵はすぐさま酷な段に切り替えた。まずはがの破滅の種になりかねない気なお染から先に抹殺しようと、朝くから勢の親族や奉公たちを庭に呼び集めたのである。
「えい、え!その届き極まる女を今すぐ縄で縛りげろ。こののきけぬ卑しい台所女めが、がしい甥の源を密かに毒殺しようと企んでおったのだ!」
の霹靂とも言うべき告発に周囲がめきつ、庄兵はお染の部の布団の裏からてきたと言い張る毒の包みを々の目のに突きつけた。昨夜のうちに権蔵に命じ、お染の部に密かに忍ばせておいた捏造の証拠だった。
「皆の者、これをよく見るがよい。この吉な女の部からこれほど量の猛毒がてきたのだ。源の病が2ヶもの良くならず衰していく方だったのも、全てはこの悪女の仕業だったのだ!」
庄兵の理然とした言葉に、何もらぬ親族たちのに揺が広がり、猜疑に満ちた酷な線が斉にお染のさな体へと突き刺さった。