"実母の50万円、義母の500万円" 第8話
「まず、こちらは、お義母さんが搬送された総病院の窓で発してもらった、正式な診療細と費用証です」
面には、数万円の保険適用負担額が記載されているだけだった。
「夫はあの、病院から百万円の請求が来たと偽り、私の個座から自分の座へ現を即送させようとしました」
文伯母が目を見き、息を呑んだ。
「そしてこちらが、夫が私に突きつけてきた自の借用です」
私は枚目の類を、伯母の目のへと滑らせた。
『借入百万円、実産の処分等により返済』
その文字を見た瞬、義弟の健太が子をガタッと鳴らしてを乗りした。
「兄貴……実の処分って、どういうことだよ!」
「健太、おは黙ってろ!」
「黙っていられるか! 母さんのを勝に処分するって、どういう権限でいてるんだ!」
兄弟の号がび交い、親戚同の顔から血の気が引いていく。
「公平、あんた……」
文伯母が震える指先で借用を指差した。
「代さんの急病をダシにして、美咲さんのおを騙し取ろうとしたのかい?」
「ち、違います伯母さん! 俺はただ、母さんの施設代を用てるために――」
「用てる? あなたは円もしていないでしょう」
私は徹に夫の言い訳を遮り、最の枚を叩きつけた。
実の査定、千百万円。
「夫は、お義母さんの資産にをつけて自分の相続分が減るのを防ぐため、私の預を代わりにしようとしました」
個のが、恐ろしいほどの静寂に包まれた。
「私の実の母の術費万には『正気か』と鳴り散らした男が、自分の相続を守るために、妻の百万を奪おうとしたのです」
夫は顔面を蒼にし、脂汗を滴らせながら震えていた。
その、座からガタッと激しい音が響いた。
義母の代が、テーブルにをついてちがっていた。
その顔はりと屈辱で引きつり、元の湯呑みが倒れてい茶が畳に広がっていく。
義母は血った目で、隣につする男を睨みつけた。
「公平……まさか私のを残すために、美咲さんのおを当てにしていたの?」
「か、母さん、違うんだ! 俺は母さんのためをって――」
「私がまだきているのに、もうあのを自分のものだとって計算していたの!?」
義母の絶叫が、個の壁をビリビリと震わせた。
夫の喉から、ヒッと引きつった鳴が漏れた。
「ち、違うんだ母さん! 俺は父さんが遺したを守りたかっただけで――」
夫は座の義母へすがりつこうとを伸ばした。しかし義母は、汚らわしい虫でも見るかのようにそのを乱暴に払いのけた。
「守るですって? あんた、自分のもせないくせに、よくもそんなを叩けたものね!」
「俺に百万円なんてがあるわけないだろ!」
「もないのに、なんで私に『男が全部用てるから贅沢しろ』なんて言ったのよ!」
義母の甲い号が、料亭の個に響き渡った。かつてあれほど誇らしげに自していた「自の男」の化けの皮が、親戚同ので無惨に剥がれ落ちていく。
「母さんだって、の丈にわない級施設に入りたがったんだろうが!」
追い詰められた夫が逆し、実の母親に向かって唾をばした。その瞬、親戚席からたい息を呑む音が漏れた。
「あんたが勧めてきたんじゃない! 私が苦労したから温泉付きのいい部に入れって!」
「誰のために俺がをげて回ったとってるんだ!」
親孝という美名で糊塗されていた母子の欲望が、醜い責任の擦り付けいへと反転する。文伯母は扇子を握りしめたまま、侮蔑の差しでを見据えていた。
そこへ、末席に座っていた義弟の健太が静かにちがった。
「兄貴、いい加減にしろよ」
健太のくややかな声が、言い争うのに楔のように打ち込まれた。
「男だからって、母さんの財産を勝に処分できるわけないだろ」
「健太、おは黙ってろ!」
「黙っていられるか! 母さんのを自分のものみたいに査定にして、義姉さんのを巻きげようとするなんて、として最だ!」
「俺は川の男だぞ! 実の面倒をずっと見てきた俺に、そのくらいの権利があって当然だろうが!」
夫が鳴り散らした瞬、義母の顔が屈辱で真っ赤に染まった。