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"結婚3週間前、私のマンションを「弟に10%譲れ」と言った婚約者" 第3話

るいウェディングプランナーの声に、私はを交えず、事務に告げた。

「いいえ。変申し訳ありませんが、挙式を完全に止いたします。キャンセル続きをお願いします」話の空気が凍りついたのが分かった。担当者は息を呑み、揺を抑えながら声を絞りす。

「……延期ではなく、止でございますか? 規約、挙式まで1ヶを切っておりますので、お見積もり総額の80%く、数百万円規模のキャンセル料が発してしまいますが……」「承しています。違約の支払い規定も契約で確認済みです。私の名義で全額即決済しますので、解約通をメールと郵送の両方で送ってください」

「ほ、本当に……よろしいのですね?」「はい。続きをめてください」

通話を切った瞬、スマートフォンの画面を握るが微かに震えた。悔ではない。何百万というを払ってでも、自分のの主権を買い戻したという、たく研ぎ澄まされた実だった。これで、式というタイムリミットを質に取られる配は完全に消滅した。退は断った。

だが、私の反撃の狼煙ががったのとほぼ同に、相方からの攻撃が始まった。画面に「杉恵子」――匠の母親の名が点滅した。

私はく息を吸い込み、静沈着なトーンを維持して通話ボタンをスライドした。

「もしもし、お義母様」

「リナさん! ちょっと、どういうことなの!?」スピーカーからびしてきたのは、をつんざくような甲いヒステリックな声だった。

「匠から泣きついてきたわよ! あなた、式をキャンセルしたんですって!? 招待状を破いて匠を追いしたって、正気の汰じゃないわ! たかが10%のことで、何をそんなに騒ぎしてるの!」

番の非難。予通りの反応に、私は笑を浮かべそうになるのを堪えた。「たかが10%、ですか」

「そうよ! 健太が向こうのご実に引け目をじないように、兄としてしだけ産を分けてやりたいって、そのいやりがどうして理解できないの? あなたのものだって、結婚すれば夫婦のもの、族のものになるのよ! 臭いこと言ってないで、く匠に謝って式を戻しなさい!」

「お義母様」私は相の勢いを遮るように、静かに、しかし確に言葉を区切った。

「お義母様のご自宅のと建物、その10%の所権を健太君に譲渡してはいかがですか?」「……はあ!? 何を馬鹿なこと言ってるの! 私のがこれと何の関係があるのよ!」

「関係はいにあります。自分の資産の10%は譲れないのに、赤のである私の婚約固財産なら、簡単にに譲れるとお考えなのですね」「赤のって何よ! 族になるんでしょうが!」

「なり損ねたです。

私の財産を、私の承諾も得ずに第者に配分するようなご族とは、戸籍を共にするはありません。これ以のお話は無ですので、失礼いたします」

「ちょっと、待ちなさ――」鳴り声を方に切断し、私は通話履歴を閉じた。すぐに父親へショートメッセージを送り、義母から嫌がらせの話が入る能性がある旨を警戒として共した。

義母の態度は定内だ。だが、解なパズルのピースはまだ残されていた。なぜ、たかがメンツのために、そこまで必になるのか。10%の産持分など、持っていたところで登記費用や固定資産税の負担が発するだけで、々の活を劇に豊かにするものではない。それなのに、なぜ匠は「健太のほうはもう準備をめている」とったのか。

その答えの端は、同の夕方、な物からの接触によって引き裂かれることとなった。

午4過ぎ、画面に表示されたのは「杉健太」の文字だった。匠の弟。これまで親族の事会で数回顔をわせた程度で、普段はLINEのやり取りすら滅にしない相だ。私は画面を見つめ、録音能が作していることを確認してから通話に応じた。

「もしもし、です」「あ……リナさん。急に話してすみません」受話器越しに伝わってくる健太の声は、母親の声とは対照に、酷く湿り気を帯びて焦燥に駆られていた。

「兄貴から、式をキャンセルされたって聞いて……本当に、俺のせいでそんなことになったんですか?」

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