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"レジで3860円を払ってくれた男は、巨大企業の会長だった" 第7話

誠がお茶を用して退した、咲はテーブルのに封筒を置いた。

「それでは改めてお返しします」

連は封筒を見つめたままかず、返済なら別の方法でもいいと言いした。咲が首を傾げると、連は度自分と事をしてくれれば昨のは返してもらったことにすると提案した。

予の提案に咲は戸惑ったが、しばらく考え込んだ、ゆっくり首を振った。

「その条件ではお受けできません。事をすることとおを返すことは別だからです」

確に断られるとは予していなかった連の表がわずかに変わった。咲は、親切に対するお礼として事をするなら、自分自がそうしたいとって決めたいのだと率直に伝えた。

「返済の代わりに事をするという約束では、私が自分のをおに変えているみたいです。それに、あなたもそんな形で誘う必はないといます」

連は黙って聞いていた。仕事では理な利益を提示すれば交渉はんだが、咲は損得ではなく自分が納得できるかどうかを基準にしている。彼はその態度を面倒だとはわず、むしろ自分の言葉に対しても厳しいことが嬉しかった。

「分かった。俺の言い方が悪かった」

連はテーブルの封筒をに取り、額を確認してから閉じた。咲の表がようやくるくなる。

封筒を受け取った連は、昨夜から貫していた咲の態度をいしていた。親切を断られたわけではない。むしろあのの助けを切にしているからこそ、借りと謝を混同したくないのだ。

連は経営者として幾度となく契約を交わしてきたが、言葉のをここまで丁寧に守ろうとするに会う会はになかった。目のの封筒はく、会社の会計から見れば何のも持たない額でしかない。

それなのに彼にとっては、何も受け取ったことのないさを持っていた。彼女が鞄から黒い傘を取りして返すと、連は受け取って静かに言った。

「では野さん、今度は借と関係なく俺と事をしてもらえないだろうか」

咲は顔をげ、どうして自分なのかと尋ねた。連は逃げずに、彼女といると余計なことを考えずに話せること、笑うところをもう度見たいことを正直に伝えた。

あまりにも率直な言葉に咲は頬がくなるのをじた。初対面にい相からの真っ直ぐな言葉に照れながらも、彼の誠実さを信じてみたいとい始めていた。

「宮さん、つお願いしてもいいですか? もし事をするなら、私を特別なお客様として扱わないでください。普通に話して普通にべたいんです」

連はしも迷わず頷いた。

咲はさらに、自分の仕事や活について会社の方に調べてもらうようなことはしないでほしい、りたいことがあれば直接聞いてほしいと付け加えた。連はその願いを静かに受け止め、約束すると答えた。

扉が叩かれ誠が入ってくると、午の役員会議まで15分だと伝えた。連の表が仕事のものに戻る。咲は邪魔にならないよう席をち、曜の夜ならがあると帳を取りした。

は咲が普段から通っているさな堂を指定した。連は素直に受け入れ、曜の午7に現集で約束を交わした。

咲は帰りの昇ので、ようやくきく息をついた。会まで案内されるとはってもいなかったし、事の誘いを自分の言葉で断り直したことにも驚いていた。

相が誰であっても、自分のをどう使うかは自分で決めたい。その気持ちは変わらない。ただ、連が言い方を改めてからもう度誘ってくれた、咲は議と嬉しかった。

彼の肩ではなく、こちらの考えを聞いてくれる姿勢にがいたのだと、帰りので何度も自分に言い聞かせた。

応接をて昇へ向かう途、誠は穏やかな声で会とは以からのりいかと尋ねた。咲が昨スーパーで偶然会っただけだと答えると、誠は驚きを隠しながらもくは追求しなかった。

建物をる直、咲は振り返ってい井を見げた。彼が企業の会だと分かっても、困っている自分を助けてくれた事実には変わりない。

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