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"18年介護した義母が亡くなった翌日、私は横領犯にされた" 第5話

淀みなく繰りされる法な続きの名称に、担当者は目をしばたたかせた。 普通の主婦が窓で泣きつく姿を像していたのだろう。 だが、私にはがない。に訴える暇があるなら、制度の規則を盾にする方が遥かに速い。

担当者は「々お待ちください」とをげ、再び奥の部へと消えた。 待たされること分。 戻ってきた担当者のには、青いクリアファイルが握られていた。

「お待たせいたしました。法務部と協議の、本件受任確認の特約条項およびご事を勘案し、直分の普通預および定期預の取引履歴証を発いたします」

数料を支払い、プリンターから吐きされた複数枚の細を受け取る。 私はロビーの子に腰掛け、目を避けるように細に目をらせた。

義母の受座。 ヶまでの残は、約百万円。 そして、その数字は――ある期を境に、自然な曲線を描いて急激に減していた。

〇〇万円 振込 〇〇万円 振込 〇〇万円 振込

計、百万円。

私の喉が鳴った。 ぴったり百万円。 だが、その引きし方法は、窓での現払戻しではなかった。 すべて「振込」だ。

私が義母から通帳を預かったのは、。 回目の百万円は、私が通帳を見るにすでに送されている。

そして何より、その振込先の座名義だった。

『カブシキガイシャ ネクサス・コンサルティング』

見覚えのない会社名。 義母がこんなカタカナのコンサルティング会社に、まとまったを振り込む理由などあるはずがない。

(誰が、この振込を実した……?)

細の端にある取扱番号を見る。 この支の窓ではない。 すべて、義母の自宅くの駅張所に設置されたATMからの、キャッシュカードによる振込操作だった。

キャッシュカード。 義母が入院した、私に渡されたのは「通帳」と「認印」だけだった。 『カードはどこかに失くしちゃったのよ』と、義母は確かにそう言っていたのだ。

嘘だったのだ。 カードは、失くしてなどいなかった。 別の誰かのに握られていたのだ。

元がたくなっていくのをじながら、私は細を折りたたみ、胸の奥くにしまい込んだ。 百万円は、私が入院費を管理していた通帳から消えたのではない。 最初からキャッシュカードを持っていた何者かによって、計画に吸いげられていた。

そして、その期。 最の回が振り込まれた、私は、の実の庭の剪定業者にち会っていた。アリバイはある。

ちがり、をる。 照りつける差しの、私はスマートフォンを取りし、興信所に勤める学代のの番号を呼びした。

「美? どうしたんだ、急に」

「健太、お願いがあるの。ある法の登記簿謄本と、実質な代表者の素性を至急洗ってほしいの」

社名を告げると、話の向こうで健太がキーボードを叩く音がした。

「ネクサス・コンサルティング……聞いたことあるな。ちょっと待ってろ、法務省の登記報を引くから」

数秒の沈黙。 蝉の声が、障りに響いていた。

「……たぞ。代表取締役、鮫島竜司。所は宿の雑居ビル。これ、いわゆるファクタリングや個向けの怪しい貸業のトンネル会社だな。表向きは経営コンサルになってるが」

「貸業……」

「ああ。で、役員欄にもう名がある。取締役、由加里。おい美、これっておの夫の妹じゃないか?」

臓が、激しくねがった。

点と点が、本の血塗られた線となって繋がっていく。

由加里だ。 あの女は、怪しい融業者に借を作り、その返済のために母親の座から百万円を吸いげたのだ。 そして、その事実を隠蔽するために――あるいは、母親自と結託して――病に奔していた私にすべての罪を擦り付けた。

『お母さんの遺産が減ったら、私の取り分はどうなるのよ!』

今朝の載スピーカーの喚き声が、脳裏で反響する。 盗まれたのではない。 自分が使い込んだ穴を、私に埋めさせようとしているのだ。

「健太、ありがとう。助かったわ」

「おい、美、丈夫か? ヤバい連が絡んでるなら警察に――」

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