-
完結第19話
「毎日そんなに持ち帰るのか」厳しい常連客が父を見て泣き崩れた
洋食店で働く47歳の私は、認知症の父のため毎晩余った料理を持ち帰り、職場で「がめつい」と嘲笑されていた。だがある日、店の常連である資産家が、父の姿を見た途端に床へ平伏し「三十八年前のツケを払わせてほしい」と号泣する。莫大な金で恩返しを迫る富豪と、何も思い出せない父。困惑する私は、押し入れの奥に隠された古い缶の中から、父が突然店を畳んだ理由を示す手帳を見つけ出す。真相|親子関係|介護|認知症2.8万字5 65 -
完結第16話
七年前に死んだ母の退院
七年前に他界した母の退院を知らせる電話が病院から届いた。駆けつけた病室にいたのは全く見知らぬ七十七歳の老人。だが彼女は私を見るなり「まだ椎茸嫌い?」と幼い頃の癖を言い当て、身元引受人欄には母の几帳面な直筆文字が残されていた。行政の登録ミスだと判明するも、老人は「和枝さんが迎えに来る」と退院を拒絶する。さらに兄から、母が生前「生け花教室」と嘘をついて毎週火曜日にこの老人のアパートへ通っていたと知らされ――。孤獨|親子関係|認知症2.5万字5 1467 -
完結第25話
息子が私の家を売る夜
骨折で息子の家に身を寄せると、嫁は私を「ボケが始まった」と近所に言いふらし、財布と通帳まで取り上げた。深夜二時、私は夫婦の密談を聞く。「認知症ということにすれば、あの家は売れる」。狙われていたのは、亡き夫と守ってきた家だった。しかも二人は、私の実印を探している。翌朝、私は桐の箱を食卓に置いた。「これ、あなたが預かって」。奪われると分かっていて、私はなぜ実印を差し出したのか。嫁姑|親子関係|認知症|金銭問題3.8万字5 3934
- 1