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完結第19話
「毎日そんなに持ち帰るのか」厳しい常連客が父を見て泣き崩れた
洋食店で働く47歳の私は、認知症の父のため毎晩余った料理を持ち帰り、職場で「がめつい」と嘲笑されていた。だがある日、店の常連である資産家が、父の姿を見た途端に床へ平伏し「三十八年前のツケを払わせてほしい」と号泣する。莫大な金で恩返しを迫る富豪と、何も思い出せない父。困惑する私は、押し入れの奥に隠された古い缶の中から、父が突然店を畳んだ理由を示す手帳を見つけ出す。真相|親子関係|介護|認知症2.8万字5 65 -
完結第19話
私を大学へ通わせた義母と、二十年前の750万円
足の悪い義母のため、2000万円でマンションを買おうと書類を調べていた私。だが二十年前に義母が実家を売った記録から、手取額の大半である750万円が、亡き父の会社へ渡っていた事実を知る。私の学費のためではなかったのか。動揺する私の前に、会社を継いだ叔父が「父の会社を助けろ」と現金を要求しに現れる。二十年前に何が起きていたのか。隠された帳簿が、家族の知られざる歪みを暴き出す。真相|親子関係|金銭問題2.8万字5 28 -
完結第23話
死者と話せる少女…彼女にだけ届く
納棺師として働くペク・ドンジュには、遺体に触れた時だけ死者と会話できる秘密の力があった。故人の未練を聞き、裏切った夫の不倫を暴いたり、離れ離れになった家族を探したりしながら、彼女は1人ずつ魂を送り出していく。 神父から「残る15人を心を込めて見送れば能力は消える」と告げられたドンジュは、奇妙な運命を受け入れることを決意する。 そんな彼女の前に現れたのが、便利屋を営むキム・テヒだった。最初は反発し合う2人だったが、死者の願いを叶える度に距離を縮めていく。ところが、ドンジュがこの力に目覚めた最初の故人・ジュノこそ、テヒが救えなかった10歳の実弟だったことが判明する。 さらに21人の魂を見送る旅には、ドンジュが生まれる前の大火災と、彼女自身の命に繋がる驚くべき理由が隠されていた――。真相3.4万字5 117 -
完結第21話
出張中の夜、隣人が聞いた「私の怒鳴り声」
3日間の出張から戻った美穂に、夫・健二は赤ワインまみれのシーツを投げつけ、「さっさと洗え」と命じた。 だが、そのワインは結婚15周年のために美穂が隠していた高級品。さらに隣人から「昨夜、美穂さんが夫婦喧嘩していた」と聞かされる。出張中だったはずの自分の代わりに、一体誰がこの家にいたのか。調べ始めた美穂は、義母・静子が若い女を「新しい嫁」と近所に紹介していた事実を知る。 しかも女は美穂になりすましてカードを再発行し、送付先を隣町の203号室へ変更。 さらに美穂名義で50万円の借金まで作られていた。 15年間、住宅ローンも生活費も義母の介護費も支えてきた美穂は、証拠を揃えた瞬間、家族を支えていた“財布”を静かに閉じる。やがて健二の元には「生活費が1円も下ろせない」という悲鳴が届き始める――。真相|不倫3.2万字5 975 -
完結第11話
赤ペンの死線と消えた五年間
「秀吉は死後、五年間生きていた」定期テストの答案に刻まれた血のような赤ペンの巨大な×と「よく考えましょう」の文字。理系特待生のレンは、完璧な引き算の末に十点を奪われ赤点に突き落とされた。だが放課後の職員室、四十人分の答案用紙が一夜にして金庫から忽然と姿を消す。残されていたのは『1598―1603』と刻まれた古い木製の根付と、不可解な数列の暗号。それは単なる珍解答への嘲笑ではなく、校内に隠蔽された五年前の重大な不正を告発する引き鉄だった。真相に気づいたレンは、裏返した答案用紙に震える手でペンを走らせる。「――前提条件が、最初から狂っていたんだ」真相1.7万字5 313 -
完結第11話
愛人の妊娠と封印されたカルテ
「新しい命を授かった。子供を産めない君は出て行け」 目の前には一枚の離婚届。二十五年もの間、家事と介護に身を捧げてきた恵子は、若い愛人の妊娠に歓喜する義母と夫から、不用品として切り捨てられた。「石女」と罵られ、身一つで追い出された恵子だったが、取り乱すことなく静かに判を押す。なぜなら彼女の手元には、十五年前に夫自身が闇に葬った大学病院の「ある診断書」が眠っていたからだ。 数週間後、勝ち誇って愛人の妊婦健診に付き添った夫。だが、診察室で医師が冷淡に告げた胎児の推定週数に、夫の顔から血の気が引いていく――。 「……先生、どうしてその計算になるんですか?」夫婦|真相1.6万字5 1426 -
完結第20話
義母の葬儀で消えた妻と百八十万
「忘れ物したから帰るわよ」義母の葬儀の最中、妻は親族の冷視を浴びながら俺を無理やり連れ出した。 母の介護を押し付け、月五万円の出金を繰り返し、精進落としの席で遺産を貪ろうとする商社マンの義兄夫婦。彼らの見下しに耐え忍んできた妻と、十年前のある挫折で公認会計士の資格を封印したしがない経理マンの俺。 だが自宅の仏壇の奥、真鍮の古鍵で開いた金庫には、亡き義母が遺した録音テープと三十六ヶ月分の通帳、そして極秘の遺言書が眠っていた。 翌朝、胸ポケットのレコーダーを起動し、俺は追い詰められた義兄を見据える。 「正人さん、そろそろ数字の話をしましょうか」夫婦|真相2.9万字5 466 -
完結第15話
娘を救った担任に、娘が叫んだ「信じるな」
三日間の失踪から戻った中学生の娘。学校中が救出の恩人である担任教師を称える中、娘は式典へ乱入し「先生を信じるな」と叫んだ。娘を問いただす母親は、失踪初日に娘が自ら電車に乗り、半年前の事件で学校を去った親友の元へ向かっていたことを知る。恩人教師の不可解な沈黙と、娘が頑なに隠し続ける「あの三日間の真実」に母親は翻弄されていく。真相|行方不明2.3万字5 205 -
完結第12話
妊娠十二週、民政局前の裏切り
「妊娠十二週よ」――結婚記念日に奇跡を伝えるはずの民政局前で、夫は同じ週数の愛人を連れ「離婚しよう」と告げた。 九年間尽くし会社を上場させた私を「世継ぎを産めない役立たず」と切り捨て、交通事故の際も一つしかない手術室へ愛人を優先させた夫。冷たい手術台の上で、私の我が子は失われた。 十五日後、すべてを捨てて姿を消したはずの元妻が、世界を牛耳る伝説のデザイナーとして帰還する。 やがて復元された監視カメラ映像と暴かれた過去の証拠を前に、喀血する元夫は泥水に平伏した。 「遅れてきた深情けなんて、雑草以下の価値もないわ」真相|修羅場1.8万字5 675 -
完結第13話
妹に婚姻書を奪われ、豚小屋へ
「何があなたの婚姻承諾書よ」――血の滲む努力で家業を再建した長女・晩晴から、祖父の形見を自作自演で奪い取った妹。両親からも一枚の絶縁状を叩きつけられ、20年尽くした実家から田舎の養豚場へ身一つで追放されてしまう。 だが、嫁ぎ先の貧乏農家で手渡されたスマートフォンには、桁違いの振込通知とトラック一台分の不可解な鉱石が届く。 やがて3000万円の負債を背負った元家族が借金を押し付けに現れた瞬間、作業着の夫が冷徹に睨み据えた。 「俺の女に手を出したのは、どいつだ」――見下された豚飼いの正体とは。兄弟姉妹|真相2.0万字5 240 -
完結第13話
妻が胸に縫い込んだ謎の数式
三十六歳の誕生日に手渡されたエプロン。その心臓の真上に刻まれていたのは、冷徹な六次方程式だった――。言葉で想いを伝えることができず、結婚三年目にして妻との見えない溝に怯えていた理系研究者の夫。これは愛の試練か、それとも不器用な男への絶縁状か。デジタル描画を拒み、五ミリ方眼紙と鉛筆だけで孤独な手計算に挑んだ男は、紙の上に浮かび上がった信じがたい軌跡に息を呑む。だが翌朝、妻自身の胸元にもう一つの未知なる方程式を見つけた時、物語は真の姿を現し――。「あなたなら、解けるでしょ?」微笑む妻が仕掛けた、言葉を超えた真実とは。夫婦|真相1.9万字5 1293 -
完結第14話
午前二時の着信と百枚の遺言
「……助けてくれ」 深夜二時、二か月間頑なに孤立していた親友からの電話は、擦り切れそうな絶叫だった。 駆けつけた部屋で目にしたのは、泣き叫ぶ生後数か月の娘を抱き、床に額を擦りつけて震える男の姿。二十八歳の妻を乳がんで亡くし、誰にも頼らず限界を迎えていたのだ。 だが、異様なのは荒れ果てた部屋の壁や家具を埋め尽くす、百枚近くの付箋だった。「ミルクはほっぺにあてて」「泣いたらぬいぐるみを」――震える筆跡で遺された指示の数々。 そして木箱の底から現れた、最後の一通の便箋と日記。 「疲れたら助けてって誰かに頼ってね、ごめん」 その文字を前に、親友は獣のような慟哭を上げた。ミステリー|真相2.0万字5 167 -
完結第12話
母が隠した四十九枚の領収書
母が病死し、遺品の缶をこじ開けると、長野の介護寮へ毎月送金された49枚の領収書が出てきた。名義は区役所に勤める私自身の名前。不審に思い戸籍謄本を取り寄せると、そこには「14歳で交通事故死」という衝撃の除籍記録があった。深山の施設へ向かった私が見たのは、私の名前を付けられ寝たきりになった見知らぬ青年。母はなぜ私を騙し、私は誰の人生を生かされてきたのか。14年間の優しい嘘を暴くため、私は母の過去へ踏み込む。ミステリー|真相|第二の人生|親子関係1.7万字5 586 -
完結第13話
毒を運ばされていた私
身寄りのない老女を七年間、親身に介護してきた。 だが彼女が急死した朝、私は身に覚えのないクレームで停職になり、団地を追い出される。 老女の部屋の床下から見つかったのは、七年前に心筋梗塞で死んだはずの隣人の実印と、大量の未開封の降圧剤。 そして「八十度のお湯で三分間」と記された、私が毎日淹れさせられていたお茶の調合メモだった。 震える手で茶葉の残りを握りしめたまま、私は白衣の友人に分析結果を求めた。裡切られた|相続|真相|孤獨|介護2.0万字5 431 -
完結第26話
消された母親の席
娘の名門小受験のため、私はボスママの車のタイヤまで磨いてきた。夫は「葵のためだ」と冷たく言い放ち、私の生活費を削り続けた。だが娘の本番用スーツを繕った夜、裏地から見慣れない領収書が滑り落ちる。七年前の日付、聖マリアンナ病院、患者名はボスママ。緊急連絡先には夫の隠し番号。実印も願書も奪われ部屋に閉じ込められた私は、父の形見のハサミを握りしめ、雨のベランダへ足をかけた。夫婦|真相|修羅場|不倫3.8万字5 1128 -
完結第19話
全員が揃えた同じ嘘
小学五年の秋、担任の女性教諭が突然退職し、学校は精神の病気だと説明した。だがその日の放課後、私を含めたクラス二十三人の児童は、それぞれの家庭で「先生は午後三時に帰りました」と全く同じ嘘を親に答えた。口裏を合わせた覚えはない。半年後、唯一何も言わずに転校していった無口な少女が、私の机の引き出しに一枚のメモを残した。そこには『先生は三時のとき、まだ地下室にいました』と記されていた。ミステリー|裡の顔|真相|行方不明2.8万字5 27653 -
完結第17話
学年五位の二浪息子
母子家庭でパートを掛け持ちし、息子の二浪を支えてきた。恩人である塾長の「まだ基礎が足りない」という言葉を信じ切っていた私に、中学の元担任は告げた。「直樹くんはずっと学年五番以内、どこでも受かる実力でしたよ」と。混乱して問い詰めた私に、息子は怯えた顔で「知ってた。でも先生には言わないで」と懇願する。なぜ受かるはずの高校を受けず、息子は二年もの間、嘘をつき続けた教師を庇うのか。息子の机の奥からは、安全圏の公立校を力任せに消した二重線と、最終出願まで「あと42日」と書かれた紙が見つかり――。裡切られた|真相|親子関係2.3万字5 919 -
完結第28話
「生きている」と気付いた納棺師、黒幕の婚約者を地獄へ送る葬儀
深夜の霊安室。婚約者を亡くした悲劇の男性を演じる郷田は、安堵の表情を浮かべて足早に去っていった。しかし、納棺師である私が霊安室に安置された会社経営者の令嬢・由奈の遺体に触れた瞬間、その手は止まった。温かな体温、微かな瞳孔の反応、そして首筋に残された極細の注射痕。それは東南アジアの裏社会で使われる、仮死状態を作り出す筋弛緩毒の痕跡だった。 彼女は死んでおらず、生きたまま火葬されようとしていたのだ。前社長の残した莫大な財産と会社を乗っ取るため、郷田は医師を買収して完全犯罪を計画していた。人間の皮を被った悪魔の所業に、かつて政財界の要人を救った「神医」としての血が静かに目覚める。私は秘伝の針を用いて彼女を蘇生させ、彼女から語られたすべての真実と冷酷な計画を知る。 「私を助けてください」――涙を拭い、復讐を誓う彼女の覚悟を受け、私は裏の顔を解放する。迎えた盛大な葬儀の場。世間の同情を完璧に集め、悲劇のヒーローを演じる郷田の前に、私は「空の棺」を用意していた。輝かしい頂点に立つ彼を絶望の底へと叩き落とすため、静かに仕組まれた極上の公開処刑の幕が上がる――。真相|修羅場4.2万字5 4096 -
完結第17話
四年間、他人の父親
夫の一周忌に届いた中学校の面談通知。学校へ問い合わせると、先月も夫が面談に来ていたと告げられる。真相を追う中で行き着いたのは、見知らぬ少年のために四年間「父親の席」を埋め続けていた夫の秘密だった。子どもを持たないと決めていた二十年の裏で、夫は何を守っていたのか。だが戸籍監査で虚偽が発覚し少年の推薦資格が剥奪寸前となる中、親友は私に書類を突きつける。「あいつの代わりに、妻のあんたが名前を書いてやってくれ」と。夫婦|裡の顔|真相2.5万字5 1116 -
完結第18話
あんたの金なら一滴も飲まない
骨折した母を看病するため実家に戻ると、玄関に毎朝一本の瓶牛乳が届いていた。九年前に他界した父が契約したはずのそれは、見知らぬ父の元後輩が自腹で代金を払い続けていたものだった。私が「これからは娘の私が引き継ぐ」と申し出ると、母の表情は一変し、「あんたのお金なら一滴も飲まない」と冷たく拒絶される。父の遺言はとっくに半年で終わっていた。見知らぬ男の好意を受け入れ続けながら、実の娘の親孝行を「監視」と呼んで頑なに拒む母の前に、男の引っ越しというタイムリミットが迫っていた。真相|孤獨|親子関係2.1万字5 421