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完結第11話
泥棒猫と呼ばれた令嬢の即日破談
「身の程を知りなさい。息子の財布をあてにする泥棒猫め」 銀座の高級ブティックで、婚約者の母親から衆人環視のなか罵倒された芹香。玉の輿目当てと嘲笑われ、尊厳を踏みにじられたその瞬間、駆けつけた店長が九十度の最敬礼を捧げた。 「お嬢様……いえ、本部長」 防犯カメラに残された暴言の全記録と、突きつけられた四百二十万円の違約金。己の浅ましさに気づいた時には、すべてが手遅れだった。 通話を切り、震え上がる義母を見下ろしながら、芹香は冷ややかに微笑んだ。 「望み通り、身の程を弁えて差し上げます」嫁姑|修羅場1.7万字5 598 -
完結第14話
3年墓参りした義父が、古い家の壁の奥で呼んでいる
三年間、夫の言葉を信じて亡き義父のために手を合わせ続けていた。けれど実家を取り壊す日、業者の重機が突然止まった。「中に誰かいるぞ」。薄暗い離れの壁板に耳を当てると、三年前になくしたはずの懐かしい声が、微かに私の名を呼んでいた。介護|金銭問題|修羅場2.1万字5 3200 -
完結第18話
夫の賞与を全額カットした私に残された離婚届
夫・朝倉修が3日間も連絡を絶ったことに激怒した社長・神崎はるかは、妻であり上司でもある権限を使い、夫の評価を0、ボーナスを全額カットするよう命じた。 ところが秘書から告げられたのは、「朝倉様はもう社員ではありません」という衝撃の事実。修は3ヶ月前、はるかが幼馴染みの長谷川圭と横浜へ出かけた日に、すでに退職していたのだ。 それでも修は毎朝仕事へ行くふりをし、夜には料理を作り、妻の愚痴を聞きながら、何事もない夫を演じ続けていた。 ようやく異変に気づいたはるかが自宅へ戻ると、指紋認証は消され、夫の荷物もすべてなくなっていた。残されていたのは、財産を一切求めない離婚届と「長谷川様と、末永くお幸せに」という最後の一文。 全てを支配できると思っていた女社長はそこで初めて、3年間、自分が夫の心をどれほど見ていなかったのかを思い知らされる――。夫婦|金銭問題|修羅場2.7万字5 366 -
完結第13話
七年越しに再婚する私✕見知らぬ子と失踪夫
再婚当日の控室に、七年前蒸発した元夫が見知らぬ六歳の男児を連れて現れた。「式は中止だ。この子を救うため娘を連れていく」。拒絶する私に、十七歳の娘は泣き崩れて告げた。「お母さん、断ったらあの子が死んじゃうの……」。三週間前から娘を親情で縛り、私の再婚を狙い撃ちにして仕組まれた、元夫の非情な罠だった。裡切られた|修羅場2.0万字5 252 -
完結第16話
夫の死を告げられた夜、届いた私の熟睡写真
「遺体は損傷が酷いから、絶対に見に来るな」 出張中の夫が事故死したと義母に告げられた夜。 午前3時17分、死んだはずの夫から届いたのは、たった10分前に【ベッドで熟睡する私】を写した写真だった。 直後、深夜の玄関でカチャリと回される合鍵。 暗闇で震える私が枕元の時計で見つけてしまったのは、半年前から私の頭上を見下ろしていた極小のカメラレンズだった。 夫は生きているのか。 それとも私は16年間、悪魔と同じベッドで眠っていたのか――?ミステリー|裡の顔|修羅場2.4万字5 903 -
完結第17話
狂人にされた私と、義母の同じ受診票
消えた貯金420万円を追及した翌朝、夫から手渡されたのは精神科の予約票と、私を被害妄想と決めつける「受診メモ」だった。絶望する私の元へ突然現れたのは、不仲な義母。その手には一年前の日付が入った、一言一句同じ受診メモと、同じく奪われた830万円の記録が握られていた。夫が親族を抱き込み、私から全財産権を奪う契約書で追い詰めてくる中、二人の女は反撃に出る。親族会議の机に、二枚の紙が並べられた瞬間――。夫婦|金銭問題|修羅場2.6万字5 338 -
完結第27話
売上150倍の料理長を追い出し、客が7割消えた
個人経営のカレー店で厨房を任され、わずか1年で売上を150倍に伸ばした料理人・明。ところが社長の息子・竹夫は、その実績を店のブランド力のおかげだと決めつけ、「次のステージに羽ばたいてみたら」と事実上の退職を促す。 明が去った数日後、店の売上は一気に70%減少。客からは「以前と風味が違う」と不満が相次ぎ、明が移った2ブロック先のライバル店だけが大繁盛し始める。 焦った竹夫は同じスパイスを使えば再現できると全資金を広告につぎ込むが、結果はさらに悪化。 そこで初めて、店を支えていたのは材料ではなく、明が長年培った熟成、香り、調合の技術だったと知る。 経営破綻寸前となった竹夫は頭を下げて戻ってほしいと懇願するが、すでに明には、自分を正当に評価してくれる新しい居場所があった――。職場逆転|金銭問題|修羅場4.1万字5 5869 -
完結第13話
七年目の爪痕
寝たきりの義父を7年間無休で介護し続けた真帆。しかし、四十九日の法事が終わった深夜、夫の俊介は「用済みだ」と彼女をトランク一つで家から放り出す。絶望の夜、真帆が義父から託されていた古い鍵で開けたのは、誰も入ったことのない隠された木工小屋だった。そこにあった一通の公正証書遺言と72冊の介護日誌が、冷酷な夫と家族への容赦ない反撃の狼煙を上げる。夫婦|介護|修羅場2.0万字5 1336 -
完結第13話
八百万円の泥棒とされた妹、九年目の審判
九年前に八百万円を持ち逃げして失踪したとされる妹。その金庫が、元婚約者の実家の庭、厚さ二十センチのコンクリート直下から未開封のまま掘り出された。 「腹いせに捨てたのよ」と喚く元義母だが、金庫の底にあった妹の携帯には、未送信の悲痛な下書きが残されていた。 泥棒の家族として親を失い、蔑まれて生きてきた姉・綾乃は、完璧に塗り固められた「被害者一家」の嘘と対峙することを決意する。真実|裡の顔|行方不明|金銭問題|修羅場2.0万字5 21308 -
完結第25話
名前を消された入園届
認可保育園の現況調査まで、あと48時間。 私は夫と義妹から「狂った母親」の濡れ衣を着せられ、娘と共に団地から着の身着のままで追い出された。 足元に放り出された娘のお昼寝布団は、名前がカッターで削ぎ落とされ、別の名前が書き殴られていた。さらに娘のための口座残高は、たったの「342円」。 娘の居場所も、生きる金もすべて奪われた土砂降りの夜。私は切り裂かれた名札を握りしめ、ある場所へ向かった。因果応報|裡切られた|夫婦|修羅場3.8万字5 673 -
完結第26話
消された母親の席
娘の名門小受験のため、私はボスママの車のタイヤまで磨いてきた。夫は「葵のためだ」と冷たく言い放ち、私の生活費を削り続けた。だが娘の本番用スーツを繕った夜、裏地から見慣れない領収書が滑り落ちる。七年前の日付、聖マリアンナ病院、患者名はボスママ。緊急連絡先には夫の隠し番号。実印も願書も奪われ部屋に閉じ込められた私は、父の形見のハサミを握りしめ、雨のベランダへ足をかけた。夫婦|真相|修羅場|不倫3.8万字5 1128 -
完結第20話
長女にだけ渡された鍵
父の四十九日。「お前が一番しっかりしている」と病床の父から金庫の鍵を託された長女の私は、弟と妹の前で鉄の扉を開けた。だが中にあった私の通帳は残高一万円で、二百八十万円あった預金は弟の名義で全額引き出されていた。問い詰める私に弟は「親父に頼まれた」と父の直筆の手紙を突きつけ、妹も父と交わした別の密約を叫び始める。そこへ男が現れ、父が実家を担保に借りた五百万円の借用書を突きつけてきた。裡切られた|兄弟姉妹|相続|金銭問題|修羅場3.0万字5 1375 -
完結第16話
父親欄の黒い斜線
生後一ヶ月の祝いの席で、夫は「娘はうちの血筋だ」と誇らしげに命名札を掲げた。だが、夜泣きのたびに耳栓をして別室へ逃げていた男の前に、妻が置いたのは、父親欄がすべて黒い斜線で消された保育園申請書と、七日後の日付が入った新居の賃貸契約書だった。「父親の席は、もうない」。一晩徹夜しただけで「やり直せる」と縋る男を置き去りにし、朝八時の引越しトラックが走り去る。そして別居三週目の深夜、娘の体が38.9度の高熱に包まれた時、男は逃げ場のない現実に直面する――。因果応報|夫婦|修羅場2.2万字5 301 -
完結第17話
他人の家で父親ごっこをする夫
出張と偽り一週間失踪した夫を探す妻の郵便受けに、夫が見知らぬ親子と笑う一枚の家族写真が届く。前列の少女が抱くのは、三年前に自宅から消えた妻のぬいぐるみだった。夫が他人の家で頼れる父親を演じ、長年我が家の生活道具を持ち出していた事実を突き止める妻。だが、その一家が長野へ引っ越す当日の朝九時、妻の実母の癌生検検査が重なる。他人の救世主に酔う夫の前に母の予約票を静かに差し出した妻は、言葉を失う夫へ二者択一の決断を迫る――。夫婦|修羅場2.3万字5 209 -
完結第18話
妻の失踪から90日、誰かが場所代を払っている
妻が消えて三か月、届いた一枚の圧着ハガキ。それは一度も聞いたことのない千葉の月極駐車場から届いた、妻名義の賃料督促だった。駆けつけた127番区画には、埃を被った見知らぬ車と、昔妻に贈ったマフラー。管理人が差し出したのは、失踪から四十六日目に妻が残した「弟には知らせるな」という殴り書きだった。なぜ妻は姿を現したのか。その直後、何も知らないはずの弟から着信が入る。「兄貴、あの車見つかったの?」――狂い始める日常の記録。兄弟姉妹|金銭問題|修羅場2.7万字5 467 -
完結第16話
消えた新郎と「探すな」と言った花嫁
八百万円の披露宴当日、新郎が忽然と姿を消した。血相を変える親族を前に、花嫁は「探さないで」と冷酷に言い放つ。彼女には秘密があった。昨夜、二人は支配的な父親から逃れるため式のボイコットを取り決めていたのだ。だが、新郎控室には充電中の携帯と結婚指輪がそのまま残され、合流先の部屋に人影はない。逃げたはずの男は、一体どこへ消えたのか。開宴の鐘まであと三時間。二百人の客が待つ中、狂い始めた密約の幕が上がる。行方不明|親子関係|修羅場2.4万字5 1079 -
完結第32話
娘の結婚式当日に出した5年前の離婚届
「浮気した罰だ。離婚したくないなら家政婦をしろ」――夫・友明に濡れ衣を着せられ、亜子は連れ子の芽衣子からも無視と命令を受けながら、8年間耐え続けてきた。 ところが芽衣子の結婚が決まると、親子は大手企業勤務の婚約者に取り入るため、今度は亜子へ「仲の良い母親」を演じるよう要求する。結婚式当日、亜子はついに「私に娘はいません」と告げ、5年前に夫婦で署名していた離婚届を提出したことを明かす。 さらに婚約者・敬語は、8年間の仕打ちと浮気の証拠すらない事実を知り、その場で結婚を取りやめる。 だが亜子の反撃は、それだけではなかった。夫の前妻・早苗を探し出した彼女の手元には、友明が最も知られたくない“21年間の証拠”が静かに積み上がっていた――。親子関係|修羅場4.8万字5 1870 -
完結第22話
油まみれの整備士と養子の秘密
岡田悠斗は、自動車の整備士として働きながら、幼い頃に事故で失った両親の代わりに妹の真央を育て上げ、弁護士となった真央の初任給で高級寿司屋を訪れる。そこで職場の傲慢な上司・西村に「油まみれの底辺作業員」と激しく侮辱されるが、偶然居合わせた大手IT企業の社長・藤井宗介に救われる。藤井はかつて両親の洋食屋「ひまわり」に救われた少年であり、この出会いを機に家族の絆はさらに深まっていく。しかし、妻・あゆみとの結婚手続きの際、悠斗は役所で取得した戸籍謄本を見て愕然とする。そこには、自分自身が「養子」であるという衝撃的な事実が記載されていた。果たして、悠斗の本当の出自とは何なのか。家族の愛と血の繋がりを超えた絆を描く感動のヒューマンドラマ。親子関係|修羅場3.3万字5 7030 -
完結第28話
「生きている」と気付いた納棺師、黒幕の婚約者を地獄へ送る葬儀
深夜の霊安室。婚約者を亡くした悲劇の男性を演じる郷田は、安堵の表情を浮かべて足早に去っていった。しかし、納棺師である私が霊安室に安置された会社経営者の令嬢・由奈の遺体に触れた瞬間、その手は止まった。温かな体温、微かな瞳孔の反応、そして首筋に残された極細の注射痕。それは東南アジアの裏社会で使われる、仮死状態を作り出す筋弛緩毒の痕跡だった。 彼女は死んでおらず、生きたまま火葬されようとしていたのだ。前社長の残した莫大な財産と会社を乗っ取るため、郷田は医師を買収して完全犯罪を計画していた。人間の皮を被った悪魔の所業に、かつて政財界の要人を救った「神医」としての血が静かに目覚める。私は秘伝の針を用いて彼女を蘇生させ、彼女から語られたすべての真実と冷酷な計画を知る。 「私を助けてください」――涙を拭い、復讐を誓う彼女の覚悟を受け、私は裏の顔を解放する。迎えた盛大な葬儀の場。世間の同情を完璧に集め、悲劇のヒーローを演じる郷田の前に、私は「空の棺」を用意していた。輝かしい頂点に立つ彼を絶望の底へと叩き落とすため、静かに仕組まれた極上の公開処刑の幕が上がる――。真相|修羅場4.2万字5 4096 -
完結第16話
嫌なら出ていけと言った夫へ
定年を迎えた夫の「嫌なら出ていけ」の一言で、三十三年の婚姻生活は破綻した。娘の緊急避難すら拒絶された妻は、翌朝、自宅に「売却」の看板を立てる。夫が「俺の城」と信じ込んでいた大邸宅は、妻の実家の資産で買った単独名義だったのだ。退職金二千万円で名義の買い戻しを迫る夫と、激しく対立する子どもたち。そして七日後、四千八百万円の売買契約書を前に、妻の手が象牙の実印へと静かに伸びる――。夫婦|修羅場2.3万字5 4425