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完結第17話
他人の家で父親ごっこをする夫
出張と偽り一週間失踪した夫を探す妻の郵便受けに、夫が見知らぬ親子と笑う一枚の家族写真が届く。前列の少女が抱くのは、三年前に自宅から消えた妻のぬいぐるみだった。夫が他人の家で頼れる父親を演じ、長年我が家の生活道具を持ち出していた事実を突き止める妻。だが、その一家が長野へ引っ越す当日の朝九時、妻の実母の癌生検検査が重なる。他人の救世主に酔う夫の前に母の予約票を静かに差し出した妻は、言葉を失う夫へ二者択一の決断を迫る――。夫婦|修羅場2.3万字5 209 -
完結第18話
妻の失踪から90日、誰かが場所代を払っている
妻が消えて三か月、届いた一枚の圧着ハガキ。それは一度も聞いたことのない千葉の月極駐車場から届いた、妻名義の賃料督促だった。駆けつけた127番区画には、埃を被った見知らぬ車と、昔妻に贈ったマフラー。管理人が差し出したのは、失踪から四十六日目に妻が残した「弟には知らせるな」という殴り書きだった。なぜ妻は姿を現したのか。その直後、何も知らないはずの弟から着信が入る。「兄貴、あの車見つかったの?」――狂い始める日常の記録。兄弟姉妹|金銭問題|修羅場2.7万字5 467 -
完結第16話
消えた新郎と「探すな」と言った花嫁
八百万円の披露宴当日、新郎が忽然と姿を消した。血相を変える親族を前に、花嫁は「探さないで」と冷酷に言い放つ。彼女には秘密があった。昨夜、二人は支配的な父親から逃れるため式のボイコットを取り決めていたのだ。だが、新郎控室には充電中の携帯と結婚指輪がそのまま残され、合流先の部屋に人影はない。逃げたはずの男は、一体どこへ消えたのか。開宴の鐘まであと三時間。二百人の客が待つ中、狂い始めた密約の幕が上がる。行方不明|親子関係|修羅場2.4万字5 1079 -
完結第14話
存在しない306号室
修学旅行で「身勝手な無断脱走」と処理された姉たち四人の失踪。廃旅館の解体を前に元担任へ届いたのは、四人だけが実在しない部屋に割り当てられた十年前の管理表だった。「警察に出すな」と叫んだ元副担任が階段から転落する中、図面を追う妹は、清掃具置場の奥に隠された違法な連絡通路を暴き出す。重機搬入まで残り七日。暗闇の天井裏から落ちた生徒のカメラが、大人が隠し続けた『306号室の真実』を再生し始める。ミステリー|兄弟姉妹|行方不明2.1万字5 198 -
完結第13話
母が消える直前の電話は、警察宛てだった
台所には冷え切った肉じゃが。失踪前夜、母が最後にかけたのは110番だった。だが警察は告げる。「お母様は助けを求めていません。十五年前のあなたの誘拐記録を尋ねてきただけです」と。母の桐箱から見つかったのは、警察が「救出時に着用」と記録し、私自身には着た記憶が一切ない青い上着。その裏地には何かを抜き取られた長方形の窪みがあった。母は一体、何を確かめに行ったのか。十五年守られた日常が、音を立てて崩れ落ちる。ミステリー|行方不明1.9万字5 113 -
完結第11話
7年前に失踪した夫は、12年前から目が見えない
七年前に失踪した夫が、地方ニュースの画面に映っていた。だが隣の女性は「十二年前に失明した私の夫です」と告げる。七年前に息子の送迎をしていた夫が、十二年前から全盲のはずがない。狂乱のまま病室へ向かった私を待っていたのは、同じ顔を持つ盲目の男と、就活中の息子の告白だった。「三年前から知ってた。……父さんを消したのは俺だ」。七年前の失踪と、十二年前の失明。二つの嘘が重なる時、母子は家族を呑み込んだ悪夢と対峙する。真実|行方不明1.6万字5 940 -
完結第14話
理事長の孫が清掃員になった夜
「お掃除一つまともにできない屑ね」外科部長・白崎麗子は、派遣清掃員として働く22歳の誠の胸元にわざとコーヒーを浴びせ、その親の顔まで嘲笑した。だが、冷遇され続けたこの青年こそ、病院の最高権力者である理事長の孫だった。8年前、35歳の母が急患で搬送された夜、麗子が身勝手な理由で受け入れを拒絶し、死に至らしめた真実。三ヶ月間、身分を隠して底辺の現場から病院の闇を観察し続けた誠は、当時の当直記録と『あの夜の音声記録』を懐に秘め、静かに反撃の狼煙を上げる。「おじいさん、今、外科病棟にいます」――果たして、傲慢な女帝を墜落させる決定的な審判の行方は。職場逆転|第二の人生2.1万字5 536 -
完結第32話
娘の結婚式当日に出した5年前の離婚届
「浮気した罰だ。離婚したくないなら家政婦をしろ」――夫・友明に濡れ衣を着せられ、亜子は連れ子の芽衣子からも無視と命令を受けながら、8年間耐え続けてきた。 ところが芽衣子の結婚が決まると、親子は大手企業勤務の婚約者に取り入るため、今度は亜子へ「仲の良い母親」を演じるよう要求する。結婚式当日、亜子はついに「私に娘はいません」と告げ、5年前に夫婦で署名していた離婚届を提出したことを明かす。 さらに婚約者・敬語は、8年間の仕打ちと浮気の証拠すらない事実を知り、その場で結婚を取りやめる。 だが亜子の反撃は、それだけではなかった。夫の前妻・早苗を探し出した彼女の手元には、友明が最も知られたくない“21年間の証拠”が静かに積み上がっていた――。親子関係|修羅場4.8万字5 1870 -
完結第22話
一日五百円で飼われた妻
「君には理解できない」と就学支援金の書類を引き裂き、毎朝玄関に五百円玉を置く夫。だがゴミ箱の底で妻が見つけたのは、「自立可能性:低」「あと428日」と記された監視記録だった。高校卒業の日に妻を築38年の木造1Kへ追放する夫の冷酷な青写真。従順を装い夜間労働で自らの足場を固めた妻と、卒業祝いの席で慈悲を装い離婚届を突きつける夫――娘が取り出したスマホ画面の「監視指示LINE」に、男の完璧な仮面が音を立てて崩れ落ちる。夫婦|裡の顔3.4万字5 647 -
完結第14話
処刑寸前の冷宮幼女、心の声で国を救う
転生先は、開始数分で首を刎ねられる三流小説のモブ幼女・少々。目の前には玉杯を割られて激怒する冷酷無比の暴君皇帝・陸原! 「七日で直します!」と平伏する裏で『どうせ七日後に毒殺されて国ごと滅ぶ暴君だし』と毒舌全開で愚痴っていたら――まさか、その心の声が皇帝に筒抜けだった!? 娘の頭内実況を頼りに悪徳側室を断罪し、飢饉を焼き芋で救い、破滅フラグを叩き折っていく皇帝。逃げ出したい毒舌ちびっこ姫と、心声を聞いて絶対に手放さない暴君パパの、痛快中華ざまぁ&すれ違い溺愛ファンタジー!人生逆転2.1万字5 65 -
完結第13話
ただいま温度管理中です!
動物園の過労死から目覚めると、仙道門派で虐げられる無能弟子・星野ユイに転生していた私。胸を刺され、床には「死にかけのゴミ」と嘲笑された二つの黒い霊卵――。 だが元獣医の目から見れば、これは単なる深刻な温度管理不足! 手製の保育器で科学的にケアした結果、殻を破って現れたのは……大陸に数百年途絶えていた伝説の特級神獣・貔貅と白沢!? 外では敵を瞬殺する狂犬なのに、私の前ではお腹を見せて甘えてくる神獣たち。私を陥れようと毒薬を自作自演する筆頭弟子に、私を生贄に捧げようと企む偽善の掌門。理不尽な悪意に、最強の家族と共に立ち向かう!人生逆転2.0万字5 41 -
完結第22話
油まみれの整備士と養子の秘密
岡田悠斗は、自動車の整備士として働きながら、幼い頃に事故で失った両親の代わりに妹の真央を育て上げ、弁護士となった真央の初任給で高級寿司屋を訪れる。そこで職場の傲慢な上司・西村に「油まみれの底辺作業員」と激しく侮辱されるが、偶然居合わせた大手IT企業の社長・藤井宗介に救われる。藤井はかつて両親の洋食屋「ひまわり」に救われた少年であり、この出会いを機に家族の絆はさらに深まっていく。しかし、妻・あゆみとの結婚手続きの際、悠斗は役所で取得した戸籍謄本を見て愕然とする。そこには、自分自身が「養子」であるという衝撃的な事実が記載されていた。果たして、悠斗の本当の出自とは何なのか。家族の愛と血の繋がりを超えた絆を描く感動のヒューマンドラマ。親子関係|修羅場3.3万字5 7030 -
完結第28話
「生きている」と気付いた納棺師、黒幕の婚約者を地獄へ送る葬儀
深夜の霊安室。婚約者を亡くした悲劇の男性を演じる郷田は、安堵の表情を浮かべて足早に去っていった。しかし、納棺師である私が霊安室に安置された会社経営者の令嬢・由奈の遺体に触れた瞬間、その手は止まった。温かな体温、微かな瞳孔の反応、そして首筋に残された極細の注射痕。それは東南アジアの裏社会で使われる、仮死状態を作り出す筋弛緩毒の痕跡だった。 彼女は死んでおらず、生きたまま火葬されようとしていたのだ。前社長の残した莫大な財産と会社を乗っ取るため、郷田は医師を買収して完全犯罪を計画していた。人間の皮を被った悪魔の所業に、かつて政財界の要人を救った「神医」としての血が静かに目覚める。私は秘伝の針を用いて彼女を蘇生させ、彼女から語られたすべての真実と冷酷な計画を知る。 「私を助けてください」――涙を拭い、復讐を誓う彼女の覚悟を受け、私は裏の顔を解放する。迎えた盛大な葬儀の場。世間の同情を完璧に集め、悲劇のヒーローを演じる郷田の前に、私は「空の棺」を用意していた。輝かしい頂点に立つ彼を絶望の底へと叩き落とすため、静かに仕組まれた極上の公開処刑の幕が上がる――。真相|修羅場4.2万字5 4096 -
完結第16話
嫌なら出ていけと言った夫へ
定年を迎えた夫の「嫌なら出ていけ」の一言で、三十三年の婚姻生活は破綻した。娘の緊急避難すら拒絶された妻は、翌朝、自宅に「売却」の看板を立てる。夫が「俺の城」と信じ込んでいた大邸宅は、妻の実家の資産で買った単独名義だったのだ。退職金二千万円で名義の買い戻しを迫る夫と、激しく対立する子どもたち。そして七日後、四千八百万円の売買契約書を前に、妻の手が象牙の実印へと静かに伸びる――。夫婦|修羅場2.3万字5 4425 -
完結第18話
無償の介護係だった嫁
12年間、義母の排泄と食事を一人で支え続けてきた。だが退院計画書の「主介護者」に義妹の名前を見た瞬間、私はリビングの介護ベッドを義妹宅へ送り届け、無償の役目を降りた。たった数日で介護の現実に音を上げた夫と義妹の前に、ケアマネジャーが提示した費用は月14万円。過去12年の労働の対価を前に「誰が払うんだ」と家族が色めき立つ中、残り3日と迫った契約書の署名欄を前に、夫の手が震えていた。嫁姑|介護2.2万字5 4900 -
完結第20話
大関の着物を切り裂いた機内の酔客5人
高度1万mを飛ぶ国際線で、泥酔した5人のアメリカ人が、着物姿の巨漢を「スモウピッグ」と嘲笑し、酒まで浴びせ始めた。だが彼らが標的にした男は、日本相撲界の大関・大五郎だった。 圧倒的な力を持ちながら、「力士の体は凶器」という師匠の教えを守り、大五郎は侮辱にも暴力にも反撃せず耐え続ける。 しかし男たちが若い客室乗務員を突き飛ばし、さらに止めに入った老婦人へまで手を伸ばした瞬間、彼はついに立ち上がった。 それでも暴走は止まらず、割れた酒瓶が凶器へ変わっていく。弱者を守るため身を盾にする大五郎。そして男たちはまだ知らない。自分たちが侮辱した力士と老婦人が、決して手を出してはいけない人物だったことを――。真実|修羅場3.0万字5 403 -
完結第16話
都合のいい下請けの妹
父の三年に及ぶ透析通いを支え続けた私だったが、葬儀の翌朝、兄から「長男が家を継ぐから二度と敷居を跨ぐな」と合鍵を没収され、家族の連絡網からも追放された。ところが三ヶ月後、十歳の姪が荷物を抱えて突然送り込まれ、兄は「姪の面倒を見るのは叔母の義務だ」と平然と言い放つ。兄の身勝手な要求を跳ね除け、身代わりの役目を手放したことで、何一つ自分で処理できない兄夫婦の生活は急速に破綻。そして親戚中を巻き込む新盆の法要前夜、深夜の受話器から兄の絶望的な悲鳴が響き渡る。相続|親子関係|介護2.6万字5 517 -
完結第18話
毎日届く「パパを来させないで」
娘から連日届く「パパに来させないで」という連絡。送迎を担当する夫への反抗期だと思っていた私は、校門前で夫を避けて隣人の車へ逃げ込む娘を目撃する。問い詰めた先で判明したのは、密室の車内で娘に母親の行動を探らせていた夫の監視工作と、私自身が無意識に娘へ強いていた離婚の口止めだった。大人の顔色を窺い、嘘で家庭を保たされていた十歳の娘。そして迎えた小学校の三者面談、偽りの体面を取り繕う両親へ、娘の冷たい声が響く。夫婦|親子関係|修羅場2.5万字5 353 -
完結第20話
無償シッター扱いの母
定年後、毎週孫の世話と手料理で家族を支えてきた私。だがある土曜、夫が突如孫の椅子を隠し「明日から娘を家に入れるな」と言い放つ。翌日、施錠されたドア越しに娘が「もうお母さんに話した?」と叫び、私だけが蚊帳の外だった事実が露わになる。問い詰めた私の前に突き出されたのは、二ヶ月前に娘が組んだ『週五日の育児シフト表』と、夫が裏で破棄した夫婦旅行の解約通知だった。月末の退去期限が迫る雨の夜、赤ペンを握る私の前で、家族の欺瞞が剥き出しになる。祖父母と孫|夫婦2.8万字5 726 -
完結第19話
金曜日の証言まであと三日
親友の夫がひき逃げ容疑で自首した。だが事故の瞬間、彼は私の部屋でコーヒーを飲んでいた。無実を証明しようとする私に、親友は青ざめて「あの日彼がいたことを警察に言わないで」と懇願する。なぜ夫が身代わりになるのか。疑惑を抱き事故現場へ向かった私は、助手席に乗っていた男が、六年前に私が縁を切った実の弟だったと突き止める。金曜朝九時、警察から求められた証言の刻限が迫る中、親友が隠し続けてきた秘密の扉が開き始める。裡切られた|兄弟姉妹|絶縁3.1万字5 2307