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完結第10話
13年前に消えた母の手帳に、夫の昔の名前があった
母が失踪して十三年。夫は毎年大晦日に捜索へ付き添い、私を支え続けてくれた。出会ったのは失踪の三年後。だが母の遺品の手帳には「この男と結婚させるな」と夫の旧名が遺されていた。さらに母の店の伝票や失踪当夜の倉庫にも夫の影が浮かび上がる。十年間信じてきた夫の優しさは、真実から遠ざけるための見張りだったのか。ミステリー|裏切られた|裏の顔|行方不明1.4万字5 35 -
完結第14話
断髪の夜に消えた七年目の花嫁
切りすぎちゃった!」妹が掲げた裁ちバサミの下、七年伸ばした私の黒髪が無惨に床へ散らばった。母は「美容院代が浮いた」と笑い、婚約者の修平はスマホを見つめ「俺の負けだ、美結ちゃんは一分で泣くに賭けてたのに」と二百円を送金した。 家族の娯楽として尊厳を切り売りされる日々。だが彼らは知らなかった。私が今夜十二時を期限に関西支社への栄転を受け入れ、年末の婚約式を違約金ごと解約したことを。 翌朝、緑のスプレー缶を構えて嘲笑う家族の前から私は完全に姿を消す。残された生活ノートの秘密と、炎上する動画が彼らを破滅へ導くとも知らずに。 「ねえ修平、私がいつまでも許すと本当に思ってた?夫婦|行方不明2.1万字5 386 -
完結第15話
娘を救った担任に、娘が叫んだ「信じるな」
三日間の失踪から戻った中学生の娘。学校中が救出の恩人である担任教師を称える中、娘は式典へ乱入し「先生を信じるな」と叫んだ。娘を問いただす母親は、失踪初日に娘が自ら電車に乗り、半年前の事件で学校を去った親友の元へ向かっていたことを知る。恩人教師の不可解な沈黙と、娘が頑なに隠し続ける「あの三日間の真実」に母親は翻弄されていく。真相|行方不明2.3万字5 205 -
完結第16話
孤島に捨てられた母✕式場の主賓席に座る亡夫
結婚前日、娘に孤島へ置き去りにされ最終便を見送った私。電話越しの娘は「母は十年前に死んだと伝えたから式に来ないで」と言い放ち、その背後から十五年前に海で消えた夫の声が響いた。翌朝、式場へ駆けつけると席次表には『故人』の文字。さらに主賓席には、私を「情緒不安定な部外者」と見下ろす亡き夫の姿があった。警備員が迫り娘が震える中、私は十五年抱え続けた証拠を新郎の前に叩きつけた——。裡切られた|親不孝|行方不明2.4万字5 865 -
完結第13話
八百万円の泥棒とされた妹、九年目の審判
九年前に八百万円を持ち逃げして失踪したとされる妹。その金庫が、元婚約者の実家の庭、厚さ二十センチのコンクリート直下から未開封のまま掘り出された。 「腹いせに捨てたのよ」と喚く元義母だが、金庫の底にあった妹の携帯には、未送信の悲痛な下書きが残されていた。 泥棒の家族として親を失い、蔑まれて生きてきた姉・綾乃は、完璧に塗り固められた「被害者一家」の嘘と対峙することを決意する。真実|裡の顔|行方不明|金銭問題|修羅場2.0万字5 21308 -
完結第19話
全員が揃えた同じ嘘
小学五年の秋、担任の女性教諭が突然退職し、学校は精神の病気だと説明した。だがその日の放課後、私を含めたクラス二十三人の児童は、それぞれの家庭で「先生は午後三時に帰りました」と全く同じ嘘を親に答えた。口裏を合わせた覚えはない。半年後、唯一何も言わずに転校していった無口な少女が、私の机の引き出しに一枚のメモを残した。そこには『先生は三時のとき、まだ地下室にいました』と記されていた。ミステリー|裡の顔|真相|行方不明2.8万字5 27653 -
完結第16話
消えた新郎と「探すな」と言った花嫁
八百万円の披露宴当日、新郎が忽然と姿を消した。血相を変える親族を前に、花嫁は「探さないで」と冷酷に言い放つ。彼女には秘密があった。昨夜、二人は支配的な父親から逃れるため式のボイコットを取り決めていたのだ。だが、新郎控室には充電中の携帯と結婚指輪がそのまま残され、合流先の部屋に人影はない。逃げたはずの男は、一体どこへ消えたのか。開宴の鐘まであと三時間。二百人の客が待つ中、狂い始めた密約の幕が上がる。行方不明|親子関係|修羅場2.4万字5 1079 -
完結第14話
存在しない306号室
修学旅行で「身勝手な無断脱走」と処理された姉たち四人の失踪。廃旅館の解体を前に元担任へ届いたのは、四人だけが実在しない部屋に割り当てられた十年前の管理表だった。「警察に出すな」と叫んだ元副担任が階段から転落する中、図面を追う妹は、清掃具置場の奥に隠された違法な連絡通路を暴き出す。重機搬入まで残り七日。暗闇の天井裏から落ちた生徒のカメラが、大人が隠し続けた『306号室の真実』を再生し始める。ミステリー|兄弟姉妹|行方不明2.1万字5 198 -
完結第13話
母が消える直前の電話は、警察宛てだった
台所には冷え切った肉じゃが。失踪前夜、母が最後にかけたのは110番だった。だが警察は告げる。「お母様は助けを求めていません。十五年前のあなたの誘拐記録を尋ねてきただけです」と。母の桐箱から見つかったのは、警察が「救出時に着用」と記録し、私自身には着た記憶が一切ない青い上着。その裏地には何かを抜き取られた長方形の窪みがあった。母は一体、何を確かめに行ったのか。十五年守られた日常が、音を立てて崩れ落ちる。ミステリー|行方不明1.9万字5 113 -
完結第11話
7年前に失踪した夫は、12年前から目が見えない
七年前に失踪した夫が、地方ニュースの画面に映っていた。だが隣の女性は「十二年前に失明した私の夫です」と告げる。七年前に息子の送迎をしていた夫が、十二年前から全盲のはずがない。狂乱のまま病室へ向かった私を待っていたのは、同じ顔を持つ盲目の男と、就活中の息子の告白だった。「三年前から知ってた。……父さんを消したのは俺だ」。七年前の失踪と、十二年前の失明。二つの嘘が重なる時、母子は家族を呑み込んだ悪夢と対峙する。真実|行方不明1.6万字5 940 -
完結第16話
十年前消えた妹の耳たぶ
十年前、二十三歳で忽然と姿を消した妹。父は帰りを待ちわびて病死し、母は今も毎年、四人分の誕生日ケーキを予約し続けている。ある日、地方ニュースに映った妹の姿を追い甲府へ向かった私は、彼女が見知らぬ男と結婚し、中学生の娘の母親になっている姿を目撃する。事故でも事件でもなく、ただ「息苦しかった」と家族を切り捨てた妹。母の七十七歳の誕生日が迫る中、妹は「生きているとだけ手紙で伝えたい」と懇願してきた。その身勝手な妥協を前に、私は受話器を握りしめる。兄弟姉妹|親不孝|行方不明2.1万字5 3412 -
完結第15話
失踪した兄へ父が送り続けた金
父が亡くなり実家の遺品を整理していた私は、机の奥から古い振込用紙の束を見つけた。十五年前に家族を捨てて失踪した兄の誕生日の翌日に、毎年三十万円が送られていた。摘要欄には「生活」の二文字。ずっと兄を捜していたはずの父は、北の工場の口座へ密かに金を送り続けていたのだ。私がその紙を弟に見せた瞬間、弟の顔から一気に血の気が引いた。弟は私の手から用紙を乱暴に奪い取ると、震える手でシュレッダーへ突っ込もうとした。兄弟姉妹|相続|行方不明|親子関係|金銭問題2.3万字5 6734 -
完結第14話
深夜の義実家
世界を旅する人気インフルエンサーのあずさは、夫の正彦とお盆の義実家へ帰省した。だが深夜2時、突如怯えた夫に叩き起こされ、夜闇の中へ車で連れ出される。サイドミラー越しに目撃したのは、玄関前に立つ黒尽くめの2人の男たち。逃走の果てに車は崖下へと転落し、夫は昏睡状態に陥ってしまう。奇跡的に生還したあずさを待っていたのは、義母による冷酷な監視生活と、身に覚えのない「夫に掛けられた巨額の生命保険」を理由とした保険金殺人未遂の疑いだった。さらに義母は、血眼になってあずさの身分証明書や預金通帳を奪おうと迫る。なぜ夫は深夜に逃げ出したのか、あの男たちの正体とは――。恐怖の闇が暴かれるサスペンス。行方不明|修羅場2.0万字5 504 -
完結第25話
一度も抱かれなかった娘
出産翌日に姿を消した妻の代わりに、私は男手一つで娘を育ててきた。「母親は抱っこも拒んで逃げた」と言い聞かせ続けて五年。カルテの保管期限が切れ、産院に呼び出された私の前に置かれたのは、妻が失踪直前に提出した母子同室申請書と一枚のガーゼだった。申請書の最下段には私の拒否印が押されており、持ち帰った鞄からこぼれ落ちた布を拾い上げた五歳の娘は、ピンクの刺繍を指でなぞりながら私を見上げた。夫婦|真相|行方不明|親子関係3.8万字5 612 -
完結第21話
息子の捜索地図を消す男
小学二年生の息子が下校途中に姿を消した。身寄りのない私を支え、町中を巻き込んで連日捜索を指揮してくれたのは、誰からも信頼される自治会長だった。だが三日目の夕暮れ、下校中の中学生から『息子の赤い靴を旧河堤で見た』と告げられる。公民館の記録を開くと、その区域だけが初日から会長一人の手で『異常なし』と赤線で消されていた。全住民を北の山へ遠ざける男を前に、私は震える指を隠し「誰も見ていませんでした」と笑って見せた。ミステリー|裡切られた|真相|行方不明|親子関係3.1万字5 1762 -
完結第16話
10年逃亡した父の未開封400万
「夫に逃げられた可哀想な母」が病死した。団地の遺品整理中、靴箱の底から出てきたのは、十年前「金を奪って愛人と蒸発した」はずの足の不自由な父の作業靴と、手つかずの労災補償金四百万円。なぜ父の靴がここにあるのか? 母が十年間払い続けた父の国民年金、不自然な大量の消石灰。町内会長が血相を変えて迫る中、私は「聖母」と呼ばれた母の恐るべき素顔と対峙する。裡の顔|真相|遺體発見|行方不明|親子関係2.3万字5 3444 -
完結第21話
日本一情の深い父の裏の顔
妹がサービスエリアで姿を消して5年。全国を巡り「日本一情の深い父親」と称賛される父から、私は古いワゴン車を譲り受けた。だが車内の清掃中、妹の指定席だったシートベルトが事故の衝撃で「4センチ」伸びきっているのを発見する。さらに奥底から見つかったのは、刃物で切断された妹の防犯ブザーだった。父に問いただすと、かつてない冷酷な声で「今すぐ車を処分しろ」と脅され――。私は父の狂気と真実を暴くため、ある決断を下す。ミステリー|裡の顔|真相|行方不明3.1万字5 32482 -
完結第17話
七年消えた母と五千万の温室
7年前の豪雨の夜、2000万円と共に車ごと姿を消した母。世間から「家族を捨てた悪女」と叩かれる中、傷心の父と私を救ったのは母の親友だった。だが、解体された有料道路の旧監視カメラに映っていたのは、母の車を運転する“親友の手首の火傷痕”。母は逃げてなどいない。父が裏庭に建てた決して入れない温室花房、その分厚いコンクリートの台座を見つめながら、娘は親愛なる偽善者たちへの反撃を誓う。裡の顔|真相|遺體発見|行方不明2.6万字5 3601 -
完結第10話
十八年間、壁の中にいた妻
新婚旅行の翌朝、二十六歳の愛妻が忽然と姿を消した。姑は「荷物をまとめて逃げた」と冷たく言い放ち、近所から疑惑の目を向けられながらも、夫は十八年間荒れ果てた家で妻の帰りを待ち続ける。だが、生家の解体工事中、壊された壁の奥から、セメントで塞がれた妻の旅行鞄が転がり出た。「持って出たはずの荷物が、なぜここに?」十八年間の嘘が崩れ去り、男は母が封印した真実へと走り出す。ミステリー|真相|遺體発見|行方不明1.6万字5 390 -
完結第13話
家出と呼んだ警察を私は許さない
1978年、母のために50円を貯めていた12歳の息子が忽然と姿を消した。 「笑ってバスに乗っていた」という目撃証言ひとつで、警察は「貧困による家出」と決めつけ捜査を打ち切る。 叫びは誰にも届かず、息子の机には1450円のノートだけが遺された。 それから24年後、米国から届いた一通のエアメール。 「探さないで」と書かれた手紙の頭文字を繋げた瞬間、母は息子が遺した命がけの暗号に気づく――。昭和|ミステリー|行方不明|親子関係2.0万字5 550