"「魚臭いから焼肉屋へ」30人を連れ去った義妹が広めた嘘" 第4話
「気にするな。親父さんに借りた恩の、利息の部を返しただけだ」
そう言って、森田は話を切った。
静まり返った帳で、私はきくく息を吐きした。の震えは、完全に止まっていた。胸のにあった混乱や揺は、すべて燃え尽き、たく研ぎ澄まされた氷のような志へと変わっていた。
私はの奥の事務所へ向かい、パソコンをちげた。まずは、顧問税理士への報告。そして、ヶに理恵に署名させた「宴会予約確認及びキャンセル規定」のスキャンデータを取りす。族だからと約束で済ませず、という規模を理由にサインさせておいた類だ。
『当キャンセルのは、予約額の全額を違約として申し受けるものとする』
類のには、違いなく理恵の跡で、彼女の署名と捺印が残されていた。損害額、万円。仕入れ先への支払いや、今入ってもらったアルバイト名への休業当、そして廃棄せざるを得なくなった材の原価。円たりとも負けるつもりはなかった。
夜過ぎ。付かずの料理の廃棄と厨の消毒をすべて終え、いシャッターをろしただった。
ポケットので、スマートフォンが震えた。
画面を見ると、見らぬメールアドレスから通のメッセージが届いていた。
件名には、こう記されていた。
『〇〇同窓会・会計のと申します(本の件のお詫びとご確認)』
息を呑み、メールをいた。
『夜分遅くに突然のご連絡、変失礼いたします。本、魚様での同窓会を急遽キャンセルする形となってしまい、なるご迷惑をおかけしましたことを、幹事会を代表してよりお詫び申しげます。つきましては、幹事代表の藤本理恵さんより「魚様側のトラブルに伴う契約解除のため、事の付およびキャンセル料の支払いは発しない」との報告を受けておりますが、会計監査の都、のため舗様側の正式な確認面をいただきたくご連絡いたしました。また、会変更に伴い参加者から徴収いたしました【緊急振替数料】の精算につきましても、追って事実関係を照させていただきたくじます』
理恵は、幹事会に対しても完全に根回しを終えたつもりでいたのだ。「側の都によるキャンセルだから、違約はゼロである」と。
私は即座にキーボードを叩き始めた。りも、み言も、切交えない。ただ客観な事実と、タイムスタンプの刻まれたログだけを淡々と並べた。
『ご連絡ありがとうございます。魚・主の藤本奈緒と申します。まず点、な事実誤認がございますので確にご回答申しげます。
本、当においてのトラブル、あるいは毒等の事実は切発しておりません。現も通常通り営業許のもとで営業を継続しております。また、当から予約の解除や会変更をお願いした事実は切ございません』
私は、の曜午分に理恵と交わした「分準備しておいて」というメッセージのスクリーンショットを添付した。
『当は夜の理恵様からの最終確認に基づき、名様分の鮮な材を確保し、配膳を完して始刻をお待ちしておりました。しかし始刻を過ぎてもどなたもご来されず、分にこちらからお話を差しげて初めて、会がへ無断変更されていた事実をらされた次第です。つきましては、事に理恵様よりご署名をいただいております規約に基づき、本付けで正規の違約請求を発いたします。なお、メール文面にございます「緊急振替数料」なる員について、当は切関しておりません』
送信ボタンを押した。
計の針は、夜零を回っていた。階の自宅にがると、リビングのソファで夫の健がテレビをつけたまま居眠りをしていた。私が部に入った気配で、健は目をこすりながら起きがった。
「おう、奈緒、お疲れ。
……理恵の同窓会、盛りがったか?」
呑気な夫の声に、私は何も答えず、ただえたでお茶を淹れた。