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"月40万円を10年送った妻を捨てた夫の誤算" 第6話

私はので、静かにカウントダウンを始めた。 あの封筒を、幸子はまだけていない。 「どうぞお好きに使ってください。けるのを楽しみにしていてくださいね」

「ええ、楽しみにさせてもらうわ」 幸子はそう言うと、方に話を切った。 私は携帯話をテーブルに置き、さく息を吐いた。

ボロボロの靴を履いて実を訪ねると、幸子はいつも嫌な顔をした。 「彦の妻なんだからもっとちゃんとしなさい。恥ずかしくて所のに紹介できないわ」 そう言って私を裏から入りさせたこともあった。

私はそのすべてに耐えてきた。いつか分かってくれるが来ると信じていたからだ。 でも彼らは、私をとしてではなく、ただの便利な具として見ていた。 だからこそ、私も置きなく彼らを切り捨てることができたのだ。

今が終われば、自送の止処理が完全に終わる。 彼らの活を支えていた見えない糸は、すでに切られているのだ。 自分の料ですべてがに入ると信じている彦も、温泉旅にくとんでいる幸子も、のに乗っていることに気づいていない。

「まさか、俺の財産を半分よこせなんて図々しいこと考えてないよな」 お昼休みのカフェ。目のに座る彦は、たい声で私を睨みつけた。 今は。

ホテルで迎えた初めての朝、仕事の私に彦から話があった。 今にサインさせたい類があると言って、呼びされたのだ。

彦の隣には、昨アパートにいた若い女性が座っている。 テーブルのに置かれたのは、「婚協議」とかれた枚のだった。 彦がインターネットで調べて、自分で作ったものらしい。

そこには、信じられない条件が並んでいた。 『妻は夫の財産に対して切の請求をわない。お互いに慰謝料の請求はわない』 私には円もおを渡さないという宣言だ。

「、おは俺の料でべてきたんだ。俺が稼いだおはすべて俺のものだ」 彦は偉そうな態度で腕を組んだ。 事もろくにできなかった最の妻なんだから、本当なら俺が慰謝料をもらいたいぐらいだ、と彼は言う。

「彦さんの言う通りですよ」 隣の若い女性が、甘い声でを挟んだ。 「ボロボロのを着て彦さんの隣を歩くなんて恥ずかしくないんですか。さっさとサインしていなくなってくれませんか」

の苦労をここまで馬鹿にされたのだから、普通なら席をつ面だろう。 しかし私は静かに、その類の文字を読み続けていた。 りよりもむしろ、い堵が広がっていたのだ。

『夫の財産に対して切の請求をわない』 彦からの嫌がらせのつもりだろうが、私にとってこれほど素らしい条件はなかった。

なぜなら、彦の座にはほとんど貯がないはずだからだ。

彼は輩にいご飯を奢り、ブランドのスーツを買い、もローンで買っている。 毎の料はほとんど使い切っているはずだ。 逆に私の個座には、副業で必に貯めたおがしだけ残っている。もし財産分与をすれば、私が損をする能性すらあった。

さらに類には続きがあった。 『婚の互いの活において、切の干渉や援助をわない。借や支払いについても各自で責任を持つこと』 私がになっておを貸してと泣きついてくるのを恐れたのだろう。

完全に私との縁を切るための、彦なりの賢い作戦のつもりだ。 私は迷わずバッグからボールペンを取りした。 「分かりました。この条件で結構です」

静かな声でそう言うと、類に自分の名をき、印鑑を押した。 彦はし驚いた顔をした。もっと私が泣いてすがりつくとっていたのだろう。 「なんだ、やっと自分のが理解できたみたいだな」

彦は満げに笑い、類を丁寧に鞄にしまった。 これで自分の財産は守られたと、本気でしているようだ。 今の午、役所に婚届と緒にしてくるという。

「これで俺たちは完全に赤のだ。どんなに活が苦しくても絶対に助けてやらないからな」

私はゆっくりとちがり、くをげた。

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