みかん小説
本棚

"「ヒモ男」と笑われた夫と私に、88歳の祖父が深く頭を下げた" 第8話

涙がボロボロと溢れて止まらなかった。

母がどれだけ節約して、スーパーの割引シールが貼られた惣菜を買い、古いを着回していたかをっているからこそ、許せなかった。

その、ずっと黙って領収の束を見ていた悠真が、ふと顔をげた。

「お義母さん。叔父様とのやり取りは、話だけでしたか? メッセージやメールは残っていませんか?」

「え……? メッセージ?」

母は瞬きをし、し考えてから、居の棚の引きしをけた。

そこからてきたのは、まで母が使っていた古い型のスマートフォンだった。

「これ、種変更するのやつだけど……操作がよく分からなくて、そのまま残してあるわ」

悠真が際よく源ケーブルを繋ぎ、起させた。

母の指を借りてLINEのトーク履歴を遡る。

達夫叔父とのトーク画面。

業務連絡のような横柄な指示が並ぶ、悠真の指がピタリと止まった。

「……希、これを見て」

画面を覗き込んだ私の瞳に、決定な文字がび込んできた。

、祖父が胆で緊急術を受けたの夜のメッセージだった。

『術の万、悪いが朝イチで病院に振り込んでおいてくれ。親父には、俺がまとめて払ったことにしておいてくれ。余計な配をかけたくないからな』

画面が滲んで見えなくなった。

余計な配をかけたくない?

笑わせるな。

最初から、祖父を騙すつもりだったのだ。

自分が円もさず、弟の妻に払わせたという事実を隠し、祖父ので完璧な『孝息子』を演じるために、止めまでしていた。

言い逃れの余など、どこにもないかぬ証拠だった。

「……保しよう」

悠真の声は、静かだったが、底れぬりを孕んでいた。

「画面のスクリーンショットを撮って、僕の端末と希の端末に転送する。通帳のコピーと領収も、全部スキャンして付順にファイリングしよう」

「悠真さん……」

悠真は私の震えるを両で包み込み、落ち着いた声で言った。

「希。叔父さんが今、宴会の席で僕を徹底に見して、無理やり介護を押し付けようとした理由が、これで完全に繋がったよ」

「理由……?」

「藤森運輸の経営状態だ」

悠真は元のスマートフォンで、業界ニュースのサイトをいて私に見せた。

「最、燃料価格の騰と物流業界ので、の運送会社はどこも極限状態にある。叔父さんの会社も例じゃないはずだ。見は級に乗って見栄を張っていても、実際の資繰りは相当苦しいに違いない」

「……だから、お母さんにおをて替えさせてたの?」

「それだけじゃない」

悠真の目が鋭く細められた。

「叔父さんは、もうおじい様の面倒を見るも、もないんだ。でも、親族ので築きげた『親いの派な社』という板だけは、絶対に放したくない」

胃のあたりが、たく締め付けられる。

「だから……僕に目をつけたんだ」

悠真は静かに頷いた。

「無職で、がく、反論できない男。僕を親族ので『ヒモ男』として徹底に貶めておけば、僕に介護を押し付けても誰も文句を言わない。『無職のくせに族の面倒も見ないのか』と脅せば、無の専属介護員としてタダで使い倒せる」

自分のは切汚さず、もさず、の夫をタダ働きさせて、親戚には『俺が姪の夫を指導して介護をやらせている』と吹聴する。

もし悠真が拒否すれば、『恩らずのヒモ男が族の義務を放棄した』と攻撃して、すべての責任を擦り付ける。

どこまでも計算され尽くした、悪辣極まりない罠。

「……そんなの、絶対に許せない」

私は拳を握りしめ、爪がのひらにい込むほどの力で震えた。

「悠真さんを、そんな叔父さんの見栄の具になんて絶対にさせない。介護なんて、ミリも引き受ける必ないわ!」

取り乱す私を見て、悠真はふっと表をらげ、さく首を横に振った。

「希、勘違いしないでほしい」

「え?」

「僕はね、おじい様が必とするなら、伝いたいとっているよ」

悠真のまっすぐな言葉に、私は息を呑んだ。

「今、おじい様が僕たちに々とをげてくれただろう。あんなに齢の方が、プライドを捨てて、孫娘の受けてきた理尽に対してから謝罪してくれた。

あの姿を見て、僕は本当に誠実なだとったんだ」

おすすめ作品

リンクを共有

以下のリンクをコピーして友達と共有してください: