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"「ヒモ男」と笑われた夫と私に、88歳の祖父が深く頭を下げた" 第11話

「介護が必だからといって、すぐに施設に入らなければならないわけじゃない。の環境をえれば、宅で全に暮らす方法はいくらでもあるんだ」

そこからの悠真のきは、驚くほど際が良かった。

玄関のがり框の段差を測り、廊の幅を記録する。

浴へき、タイルの滑りやすさと浴槽の縁のさを確認し、トイレのドアノブを回して内きの危険性をチェックする。

「希、メモを取ってくれるかい」

悠真は膝をつき、廊の壁をトントンと指の背で叩きながら言った。

「壁のが入っている位置を確認した。ここ、ここ、そしてトイレの導線。すりを取り付ける位置としては完璧だ」

「すり……?」

「介護保険の宅改修制度が使える」

悠真はペンをらせながら、流れるように説した。

「介護認定を受けていれば、涯でにつき限万円まで、宅改修費用の原則割……自己負担が割なら、最万円が自治体から付される。玄関の踏み台設置、浴のすのこ、トイレのすり。これらを適切に施すれば、数万円の自己負担だけで、おじい様がで全に移できる環境が作れる」

祖父が目を見張り、を乗りした。

「そんな制度があるのか……?」

「はい。さらに、区の域包括支援センターに相談してケアプランを組み直せば、週回のデイサービスで入浴とリハビリを済ませ、訪問護を組みわせることで、族がつきっきりにならなくても活は分に成りちます」

悠真の言葉には、机の空論ではない、現をる特の圧倒な説得力があった。

「おじい様の尊厳を守りながら、希たち族の負担を限界まで減らす。制度と技術を使えば、誰かが犠牲になる必なんて最初からないんです」

「……悠真さん」

祖父の喉が、ぐっと詰まった。

「おさんは……本当に、した男じゃな」

祖父の言葉に、悠真は照れくさそうにを掻いた。

「いえ、僕はただの設備ですから。現で線を見ることしかできません」

そのだった。

カチャリ、と玄関の引き戸が、乱暴にく音が響いた。

「親父! いるか!」

同然のい音が、がり框を踏みつける。

居の襖が、挨拶もなしにバッとにけ放たれた。

そこにっていたのは、級スーツを着た叔父の達夫だった。

そのろには、見らぬクリップボードを持った若い男性――産の営業マンが、気まずそうに控えている。

「親父、ちょうどいいところに……って、おい」

叔父の線が、メジャーをにした悠真と、ノートをいていた私を捉えた。

その途端、叔父の顔が侮蔑と苛ちで引きつった。

「なんでおらがここにいるんだ? ……おい無職、のでメジャーなんぞ振り回して、何の真似だ」

「叔父さんこそ、何の用ですか」

私がちがってちはだかると、叔父はで笑い、ろの営業マンを居へと招き入れた。

「何の用だと? 親父の今のためだよ。このを売却して、最設備の級老ホームへ入居するための現査定だ。今、内の写真を撮らせてもらうことになってる」

「断る」

座卓の奥から、祖父のく鋭い声がんだ。

叔父が苛ちをわにして眉を寄せる。

「親父、何を固になってるんだ。にもなって、こんな隙の入るボロにでみ続ける気か? 呂で倒れでもしたらどうするんだよ」

「わしはこのを売らん」

祖父は座卓のに、さっきの査定をピシャリと叩きつけた。

「勝にの名で査定を取り、裏で話をめるとは何事だ。このの名義はわしじゃ。おの持ち物ではない!」

叔父の顔から、瞬で血の気が引いた。

査定が見つかったことに揺したのだろう。

だが、この男の図太さは私の像を絶していた。

叔父はすぐに顔を真っ赤にして逆し、私と悠真を指差した。

「……さては貴様らか! 親父にあることないこと吹き込んで、余計な恵をつけやがったな!」

「失礼ですが」

悠真が静かに、営業マンと叔父のに割って入った。

「産売買の媒介契約において、所権登記名義本の確な売却志がない、勝なち入りや査定のはトラブルの元になりますよ。宅建業法のコンプライアンスとして、よろしいのですか?」

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