"「妻も了承した」夫が勝手に約束したのは、亡き母のマンションだった" 第6話
翌の曜、午。 のたいが吹き抜ける、私は義実の玄関をくぐった。
通された居には、すでに全員が揃っていた。 座には、嫌を絵に描いたような顔で腕を組む義母。 その両脇に、い表を崩さない綾子さんと真紀さん。 私の隣には、居悪そうに何度も座り直す夫が座った。
「わざわざ集まってもらったのはでもないわ」 義母が、侮蔑を込めた線を私に投げつけてを切った。 「奈美さん。あなた、昨の無礼なLINEは何のつもり? 嫁のでグループにあんなものを晒して、悟の顔を潰すなんて代未聞よ!」
いつもの、義母の先制攻撃。 だが、今の私は歩も引く気はなかった。 膝のに置いた鞄から、クリアファイルを取りす。
「お義母さん。話の論点をすり替えないでください」 私の声は、静まり返った居に凛と響いた。 「今確認すべきことはつだけです。あのマンションについて、誰が、誰に、何を伝えていたのか。それだけを黒つけに来ました」
「な、何よその態度は……!」
義母が声を荒げようとするのを制し、私は隣の夫へ線を向けた。 横顔が、微かに引きつっている。
「悟さん。私が母のマンションを売却するとあなたに相談した、あなたは何と言いましたか?」
夫は居悪そうに線を泳がせ、首を縮めた。 「……奈美の名義だから、奈美が決めればいいって……」
居の空気が、ぴくりと揺れた。 私は髪を入れずに言葉をねる。
「ええ。そう言いましたね。では、その売買契約が週に正式に成していたことを、あなたはっていましたか?」
「……聞いてたよ」
「では、最の質問です」 私は夫の目を、逃げのない角度から射抜いた。 「あなたは私に、綾子さんたちをまわせたいと度だけ相談し、私が『売却続きだから絶対に貸せない』と断った。その事実をりながら、なぜお義母さんや綾子さんたちに『奈美が承諾した』と嘘を吐いたのですか?」
「嘘なんか吐いてない!」 夫が咄嗟に声を張りげた。 「俺はただ、これから腹を割って話せば、奈美も分かってくれるとって……!」
「待って」 く、鋭い声が居を切り裂いた。 義姉の綾子さんだった。 綾子さんは兄を睨みつけ、眉を固く寄せていた。
「お兄ちゃん、先週私に話で何て言った? 『奈美が空き部にしておくのは勿体ないから、綾子たちに使ってほしいって言ってる』って、はっきり言ったよね?」
夫の頬が、ピクリと痙攣した。 「いや、それは……話をスムーズにめるために……」
「私にも言ったよね」 今度は義妹の真紀さんだった。 膝のの拳を震わせながら、兄を真っ直ぐに見つめている。 「『奈美さんも族が増えるみたいでんでる』って。だから私、今の部の退届を産にそうとしてたんだよ? 奈美さんが断ってたなんて、言も言ってなかったじゃない!」
「な……っ!」 義母が絶句し、息子の顔と娘たちの顔を交互に見比べた。 「悟……あんた、どういうことなの!? 奈美さんが譲るって言ったから、あの子たちに部を見にかせたんじゃないの!」
方からの追及。 完璧に作りげられていた「優しい兄、頼れる男」のが、音をてて崩壊していく。 夫の額から、脂汗が滲みていた。
「……俺は……っ」 夫は喉を鳴らし、苦し紛れに絞りした。 「奈美の解は、取ってなかったよ……! でも、族が困ってるんだから、最には納得してくれるとって……俺が楽観しすぎたんだよ!」
「楽観?」 私はたい笑みを漏らした。 「断られた事実を隠して、承諾したと偽り、既成事実を作って私を追い込もうとした。それを世では、楽観ではなく『騙し討ち』と呼ぶのよ」
居が、完全な静寂に包まれた。 テレビの計の針がむ音だけが、気に響く。
自分の息子が、自分たち族全員に嘘をつき、玉に取っていたという事実。 綾子さんは失望のあまり顔を覆い、真紀さんはえ切った目で兄を見つめていた。
だが、プライドを々にされた義母は、矛先を引くことができなかった。 赤黒く顔を潮させ、震える指を私へと突きつける。
「だ、だから何だっていうのよ! たとえ悟がし話を急いだとしても、族の助けいでしょうが! 嫁のでありながら、実のマンションをに売り払うなんて血な真似、許されるわけないわ!」